断層物件

断層物件


 味方村と白根市の境には中之口川が流れていて,行き来するためには橋を渡らないといけないんでした。そして,橋の白根側はT字路になっていて,その突き当たりにこのカンバンはあるんでした。

 読めるし意味はわかるし,カンバンとしての機能はしっかりと果たしているわけですけれども,それでも,これはどうなのか。と,思ってしまうんでありますね。
 右半分と左半分。ふたつでひとつなのだけれどもそのつくりがまったく異なっているわけで,カンバン界のアシュラ男爵なんでありましょうか。

 地元の人は毎日見てるんだろうし,その成因もわかっているのかもしれないけれども。
 なにか管轄の違いがあるとか,半分作ったところで予算が尽きてしまったとか。あるいは右半分を撤去しようとすると工事関係者が次々事故に会うとか,川の主である竜神様(かどうか知らんけれども)が暴れるとか。

 成因はどうあれ,なにか印象的なカンバンというか,風景ではあります。
 ひょっとすると,ここに時間の断層ができていて,右側は過去に,左側は現在につながっているのかもしれない。右側に足を踏み入れると,そこは昭和30年代あたりの風景が広がっていて…。そんな映画を作れそうな風景。

 でも,実は私が知らないだけで,道路標識というのはすべて成長するにつれてこのように脱皮しながら少しずつ新しくなっていくのかもしれない。みなさんのまわりにも脱皮途中の標識があるかもしれないので注意してみてみましょう。

「急カーブ注意」は白根市・四ツ興野あたり。