断面物件

断面物件


 これは断面…でありますね。庭の断面。
 手前に見える赤い地面は,最近作られた歩道。道路整備により歩道が作られ,そこにかかっていたお宅の庭の角部分がスッパリと切断されたものではないかと思われるんでした。

 むぅ。こういう「切断面」というのは妙になまめかしい感じがするでありますね。私だけか? 本来見ることのできない,見てはいけないものが見えてしまっているような感じ。
 最近はCTスキャンで自分の頭や胴体の輪切りなんてのを見る機会もあるかもしれないけれども,そんな感じかもしれない。私は幸いにかどうか,スキャンされたことはないですが。

 しかし,見事に切り取られているですね。あたかも斬鉄剣で斬られたかのように。特にブロック塀の切断面なんかは「ほぉ。こうなってるのか」なんて変に感心したりするわけでした。
 あるいは,この部分だけ時空のゆがみに飲み込まれて,異次元空間をさまよっているような感じでありますね。漂流教室のように。消えてしまった庭の部分は,今もどこかの時代・空間に存在しているのかもしれない。

 この「切断庭」はおそらく工事の途中であろうと思われるのでトマソンとはいえないわけですけれども,できればこのまま残しておいてもらいたいものであります。面白いから。
 さらに,居間の真ん中で切断されているような家なんかもあってもよいかもしれない。

「切断庭」は新潟市・槙尾あたり。