佇立物件

佇立物件


 電柱のわきに静かに佇む人影…のように見えるのが何なのかはよくわからないんでありますけれども,何か不思議な存在感というのを周囲に漂わせているような気がするわけなんでした。

 その雰囲気は,黒いマントに黒い笠をつけて,標的が通るのを柱の陰でじっと待ちつづける暗殺者のようでありますね。

 でも,夜ならともかく昼間ではこの格好は逆に目立ちすぎるような気もしますけれども。待ちつづけている間に眠ってしまって,気がついたら昼間になっていたのかもしれない。それはちょっとカッコ悪い。


 こちらは高台の道路。崖のようになっているのでガードレールがつけられているわけですけれども,手前の白いガードレールと奥の緑色のガードレール(というか柵)の境界部分になっているんでした。

 その境界部分外側に,白く細い支柱が1本だけ。おそらくはかつてここにあった古いガードレールのものだと思われるわけですけれども,今はひとり取り残されて隠居生活をしているようなんでした。

 でもまぁ,この見晴らしのいい場所で街の様子を見守り続けるというのもよろしいかなと思ったりするですね。

「黒傘」は中条町・東本町あたり。
「隠居」は小千谷市・千谷川1あたり。