止まる物件

止まる物件


 まぁ,パターンとしてはありがちな「純粋な子どもの疑問モノ」であって,子どもにしゃべらせることによって大人の罪悪感をあおろうとするものなんですけれども。

 ただ,その子どものセリフが大仰なんでありますね。「お母さん なぜ?」と,もう自分の理解の範囲をはるかに超えた事象に遭遇したような,火曜サスペンスのような驚き方なんでした。
 間に「?」を入れずに「お母さん なぜあの車止まらないの?」であればごく普通の会話なんですけれども。よほど育ちのいいお子さんであろうと思われるでありますね。


 こちらは,某食堂の入り口であります。こちらへ入るための作法としては「止まって右左を見て前進」しないといけないようなんでした。
 それを怠ろうものなら,入り口へ入った瞬間にわきから車が飛び込んできて轢かれてしまうのかもしれない。
 まぁ実際はこの入り口の正面に細い道路をはさんで駐車場があって,そこから出る車あるいは人に対して注意を促しているようなんですけれども。
 それにしても,カンバン自体にそれを書き込んでしまうあたりがなかなかでありますね。


 車が一台やっと通れるくらいの狭い道から大通りへ出るところの「3段止まれ」。
 小さな路地なんかには地元住民が自分で書いたような「止まれ」がよく見受けられて,それがなかなかいい味を出していたりするわけですけれども,これもそのひとつでありますね。リフレインがたまらない。

 大通りへ出る前に,微妙な曲線を描きながら3段階で停止する。なんと優雅なことでありましょうか。人間,道路に出る際にもそういうゆとりを持ちたいものであります。そうでもないか。

「なぜ?」は燕市・東太田あたり。
「確認食堂」は燕市・秋葉町1あたり。
「3段止まれ」は新潟市・春日町あたり。