さばき物件

さばき物件


 このページの物件にも何度か登場していて,日本全国どこの路地裏にも必ず貼ってあると思われる「聖書ハリガミ」。いや紙ではないような気もしますが。紙ではないけど神の関係。なんのことやら。

 しかしホントにどこにでも貼ってあって,ひょっとすると人跡未踏の地にも貼ってあったりするのかもしれない。「これより先 人跡未踏の地」というハリガミの奥の方に,すでに貼ってあるとか。

 それはまぁさておき,上の物件。「正しいさばきの日は近い」というおなじみの文句でありますけれども,不信心な人間からすれば「近い近いって,いつまで言っているのか。神様にとって『近い』というのは,人間の尺度ではどのくらいか。56億年後くらいか」などと考えてしまうわけでありますね。

 が,そんな悪態をついている人間にはすぐに裁きが下るんでした。すぐ隣には「屋根ガ出テマス 注意」の文字。わき見をして悪態などつきながら歩いていると,頭なり顔面なりに屋根の直撃を受けるようになっているんでありました。
 私の場合は鉛直方向には短い体型をしているので,わき見をしていても裁きは受けずにすみそうでありますけれども。


 こちらにも「イエスキリストは永遠の云々」という,やはりおなじみの文句が貼ってあるんでした。まぁ,その文句にはもはやチャチャはいれないですが。問題はそのお隣さんでありますね。

 何を隠そうお隣は,畳店を営む「湯田さん」のお宅らしいんでした。これはなかなか大胆であります。いや何が大胆なんだかわかりませんけれども。

 やはりユダというと一般的には「師匠を売った裏切り者」というイメージがあるですね。それは日本の「湯田さん」にはおそらくまったく関係ないことではありますけれども。しかし実際に音にして「ゆださん」と読んでみると,アクセントは多少異なるにせよ,その辺のことはちょこっと頭に浮かんだりするんでした。
 このハリガミを貼った人は,そのあたり気にならなかったでありましょうか。

 そういえば,8号線を走ってると大きく「ユダ」と書いたカンバンを掲げたステーキハウス(だかなんだか)があって,「むぅ。なぜあの名前をあえて店名に?」と思っていたのだけれども,最近ローカルのテレビに店主が出ていて,やはりお名前が「湯田さん」でありました。けっこうある名前なのだなぁ。

 他に「与羽さん」とか「八子部さん」とか,どこかにいたりするんでありましょうか。「又井さん」なんかは,いそうであるな。

「屋根ガ出テイマス」は村上市・肴町あたり。
「湯田畳店」は新津市・古田あたり。