ひねもす物件
ひねもす物件
商店街に置かれたベンチ。「××老人クラ」と書かれていて,本来は「××老人クラブ」であったものが「ブ」だけ消えてしまったんであろうと思われるんでした。
しかし「クラ」で止められると,なんだかちょっとイカガワシイ感じになってしまうですね。「テレクラ」とか「イメクラ」とか,そんなフーゾク関係の言葉が一般的に使われるようになったからかもしれませんが。
いや,最近は多種多様な嗜好があるから,ここはホントに老人が相手をしてくれるフーゾクのお店なのかもしれませんけれども。好みの老婦人あるいは老紳士が,一緒にこのベンチに座って日がな一日話し相手をしてくれるサービス。それは別にフーゾクじゃないか。
こちらは,さるバス停わきに置かれた,青く細長い板。
これが何かというと,どうやらベンチみたいなんでありますね。ベンチというか,かつてベンチであったもの。その,座る部分か背もたれ部分かわからないけれども,それが地べたにペタンと置いてある。
これがわざわざ置いてあるということは,利用者がいるんでありましょうかね。やはりお年寄りはイスよりも地面にしゃがみこんだ方が楽だったりするのか。あるいは地面に座り込む若者を狙ったものなのか。
農作業風のおばあさんとチーマー風の若者がここにペタンと座って,3時間に1本来るバスを待ちながら色んな話をしていたりするのかもしれない。
いやこのあたりにチーマーはいないような気もしますが。しかし想像するとちょっと微笑ましいでありますね。
こちらもバス停。ちょっと前の写真で,雪が消えた頃。その日差しの中の,バス停とベンチと,そのわきに立つ消火栓。長岡の消火栓はみんな背が高いんでした。
「雪…消えたねぇ」
「ねぇ…。いい天気だよねぇ」
「もう降らないかねぇ…」
「…たぶんねぇ」
「客…来ないねぇ」
「…あったかいねぇ」
なんていう他愛もない話を,客のいない間,ぽつりぽつりと一日中していそうであります。
「老人クラ」は加茂市・穀町あたり。
「地面ベンチ」は神林村・小口川あたり。
「消火栓」は長岡市・堀金2あたり。