ゲンキン物件

ゲンキン物件


 んー。これはまぁなんというか,明快でありますね。あまりに明快であって,うちの「物件」たりえるのかどうか微妙なような気もするわけですけれども,その微妙さかげんがまたちょっと面白いと思えるわけでした。

 もちろん,通常「固く駐車を禁ずる」場合は「駐車厳禁」であるわけですが,「駐車現金」でもまぁ意味は通じなくもないんでありますね。
 つまりは「もしあなたが漁業関係者以外であってここに駐車することを希望するのであれば,現金を払ってくださいね。ツケはききません。カードもダメです」ということであれば,このカンバンは至極マトモであると思われるんでした。

 ひょっとすると,私が無知なだけでこの言い回しは日常的に使われているのかもしれないですが。
 他を探せば,駐車すると転勤しなければならない「駐車転勤」とか駐車すると股が痒くなる「駐車陰金」とか駐車すると老後困ってしまう「駐車年金」とか駐車すると虫になってしまう「駐車変身」とか飛べない鳥で支払う「駐車ペンギン」とかいうカンバンもあったりするのかもしれない。ないか。

 このカンバンの意味が上に書いた通りのものであるとするならば,お金を払えば駐車できるわけですけれども,もしだれか駐車してみた方がいらっしゃいましたらご一報を。私はこのとき歩きだったので,試してみることができなかったんでした。まぁ多分チャンスがあってもしないだろうけど。

 実はこのカンバンは朱鷺メッセへ行く途中にあるので,場所が場所だけにたくさんの人の目にとまっていると思われるんでした。もし仮に万が一これが「駐車厳禁」の間違いであるならば,県知事あたりから指導が行きそうでありますね。

 いや冒頭でも書いたとおり,私も実際ちょっと迷ったんですが。これははたしてウケを狙っているのか。ウケを狙わないまでも,「ちょっとしたユーモア」のつもりでわざとやっているのか。
 でも普通そういうのは「駐車現金」のようにそこだけ色を変えるとか,その「ユーモア部分」を強調したがるわけでありますね。ところがこのカンバンの場合はごく普通に書かれている分だけ微妙な感じがただよい,逆にその点で想像力を喚起するというか面白くなっているような気がするわけなんでした。

「駐車現金」は新潟市・万代島あたり。