雨宿り物件
雨宿り物件
どうやら,この土地は現在駐車場として使用されているようなんでありますけれども,なんだかちょっと無理やりな空間のような気もするわけなんでした。
奥のほうには立派なお屋敷あるいは料亭のようなたたずまいの建物。その塀としてはちょっと貧相な感じの板塀。急ごしらえの一時的なものなのかと思うと意外と年数を経ているような汚れ具合で,「現在工事中」というのではないようなんでした。
そして,さらにこの空間を不思議なものにしているのは,真ん中の「無用庇(ひさし)」でありますね。形的には庇というより屋根のような。果たしてこれは何を庇(かば)っているんでありましょうか。下には何も見えないのだけれども。見えない何かを庇っているのか。
トマソンでいうところの「無用庇」というのは,だいたいが窓あるいは郵便受が何かの事情で使用されなくなった場合に塗り固められて出来るわけですけれども,この物件ではそのどちらでもないようでありますね。
この下には,提灯でもさがっていたのかもしれない。かつてここには奥の料亭(だかなんだか)の入り口があって,その看板代わりの提灯が夜道でお客を誘っていたとか。
それとも,一人専用の雨宿り場所か。突然の雨の時にはここでやりすごす。一人しか入れないし,直立不動でなければいけないけれども。でも車と同じくらいの高さしかないから,背の低い私でもムリそうであるなぁ。子ども用か。
あるいは,本来ここには何か,たとえばお地蔵さんなんかが置かれているのかもしれない。私が見たときは,たまたま誰かに恩返しをするために外出していたのかもしれないんでした。
こちらは,玄関先の金次郎さん。学問しながらお仕事中に,雨が降ってきたのでちょっと軒先を借りてるような感じであります。
いや,この日は雨は降ってなかったんですけれども。そうなるとただのサボリであるなぁ。まぁ,金次郎さんといえどもたまにサボりたくもなるかもしれませんが。読んでるのはメンズノンノとかだったりするかもしれない。
「無用庇」は中条町・東本町3あたり。
「金次郎さん」は燕市・秋葉町3あたり。