ステップ物件

ステップ物件


 2002年最後の物件は,トマソンであります。やはりたまにはトマソンもやらんといかんかなと。
「路上観察」あたりで検索かけてくる人は,トマソンを期待してやってくる場合が多いんだろうしなぁ。そうでもないか?
 まぁ,もちろん路上観察=トマソンではないわけだけれども,代名詞的なものではあるし,トマソンの発見がなければ路上観察という言葉もおそらく無かったわけだし。

 そんなわけで,写真の物件。トマソンの中のトマソンとも言われる(誰が言ってるのか),無用階段であります。
 左側の階段は,上ったところに入り口があって立派に機能しているわけですけれども,右側の階段はどうか。窓はあるけれども,ここから出入りはしないと思われるですね。出入りするとしても,この階段をあえて使おうとすると大変そうなんでした。あるいは,ドロボウさん専用の出入り口か? だとしたらこの家の住人は良寛さんのような人であります。

 このふたつの階段はどのようにして出来たんでありましょうか。もともとひとつだった長い階段の真ん中を壊したのか。最初に右側に入り口があったんだけれども,入り口が移動したので左側に階段を作り,右がトマソン化したのか。それとも,ひとつだった階段が地殻変動によりふたつにわかれたのか。それはないか。いやしかし。

 しかしふたつの階段の形が似ているだけに,それぞれの有益さ無益さが際立つですね。双子に生まれた兄弟の片方が縁起が悪いと言うことで捨てられ,かたや将軍様,かたや江戸の下町で傘張りをする浪人になってる…,みたいな感じであります。
 もちろん,将軍様というのは某国のではなくて,江戸時代の,暴れん坊だったりする将軍様でありますが。


 こちらも同じような階段ですけれども,トマソンではないですね。一応この入り口につながっていて,実際出入りにも使われているようなんでした。
 ただ,あえてこの位置に高所ドアを作り,この位置に階段を作ったというその設計がよくわからない。出入り口と階段の間には隙間もあいてるわけだし。若いうちはいいけど,歳をとったらここから出入りするのは非常に困難なような気がするですね。

 この階段のたたずまいは好きなんだけど。この薄汚れ方がなんとなくエッシャーの絵にあるような無限階段を思い起こさせる。なんとなくね。奥の出窓の下部分が階段のようにギザギザなのも見逃せないところであります。この家のご主人,階段フェチなのか? 階段を見るとハァハァ言ったりするのか?

 なにはともあれ,来年のみなさまの,さらなるステップアップをお祈りしております。上った先に何もないとイヤかもしれないけれども。

 上は五泉市の…どこだったか詳しい所在忘れた。ごめん。
 下は三条市・居島あたり…だったか?
 最近忘年会が続いたりして,忘れちゃうのだな。関係ないか。