再起物件
再起物件
自前で立て看板を作ろうとするときに,土台としてよく使われるのが古タイヤのようなんでした。まぁ看板というよりも,警告表示板でありますね。「この辺に駐車するな」とか「××専用駐車場」とか。
土台にする場合に適度な重さがあるとか,移動するときにタイヤを回していくと楽だとか,警告だからキレイな必要がないとか,古タイヤを使うにはそんな理由があるのかもしれないでありますね。
でもその割には,これがまともに立っているというのをあまり見たことがなかったりするんでした。写真のように,たいがいは転んでいて,しかもそのまま放置されて単なる路上のゴミと化していたりする。
いや実際は転んでいる姿が目立つだけであって,他の大部分はタイヤ看板はちゃんと機能しているのかもしれないけれども。
こちらも同じようにタイヤ看板が倒れているわけでありますけれども,上のものよりかなり新しく,まだ使えるんではないかと思えるくらいなんでした。
んー。なんだか,働き盛りなのにリストラされたというか,全然違う業種の零細企業に出向させられたというか,そんな風情をたたえているような感じがするでありますね。それで,「おれはまだタイヤとして働きたいんだーっ! カンバンなんかやりたくねーっ!」と言って反逆し,立ち上がっちゃったような。
そういう目で見ると,一番上のホイール看板も「て,定年は過ぎてしまったが,ワシはいつまでもタイヤなんじゃーっ! ばかにするなーっ!」とでも言って立ち上がったように見えてきたりするんでした。見えないか。
そしてこちらは枯れた冬の田んぼにたたずむタイヤ1対。
リストラされかけたタイヤが相棒とともに逃げ出し,これからふたりで協力して別の形のタイヤ人生を歩んでいこうと決意している…ようにはやはり見えないか。
しかし,タイヤとして再起しようとしていたはずが,バーベルとして再起してしまいそうなあたりがちょっと心配ではあります。
上は新潟市・上大川前通6あたり。
中は白根市・十五間あたり。
下は寺泊町・竹森あたり。