ハハ物件

ハハ物件


「ハハハハハハ,ハハノハハハハハハハトワラウ」とか,「モモモモモ,スモモモモモ,モモニモイロイロアル」という文を目にしたのは「頭の体操・第2集(多湖輝・カッパブックス)」であったような気がする。

 前者は「母はハハハ,母の母はハハハハと笑う」,後者は「桃も桃,李(すもも)も桃,桃にも色々ある」なのだけれども,当時小学生(だったと思うが)の私は,この「ハハハハハハ」というのがえらくお気に入りで,今でも憶えていたりするんでした。

 「頭の体操」というのは,ちょっとひねった発想をしないといけないクイズの本。そういうのを子供のころに読んだおかげで,私の思考回路もちょっとヒネてしまったのかもしれない。いやこれは物件とは全然関係ない話なんですけれども。タイトルに「ハハ物件」と書いたところで突然思い出してしまったんでした。

 で,写真の物件。さるお宅の玄関前に,けっこうな時間を経たような「母」シールが2枚貼られているんでした。
 むぅ。犬を飼ってる家には「犬」シールが貼ってありますけれども,この「母」シールは獰猛な母親がいる家に貼られるんでありましょうか。しかもこの家には2人も母がいるのか。
 玄関あけたら,割烹着姿の母親が2人鎖につながれてうなってたらイヤだなぁ。しかし母親というと一般的なイメージとして割烹着というのがいまだにあるんだけど,いまどき割烹着着てる母親ってどのくらいいるのやら。

 あるいは,ボボブラジルが密かに日本に帰化していて,晩年は「母母胸当汁」と名乗ってここで暮らしており,表札として「母母」のシールを貼っていたのかもしれない。などということがあるわけないか。

 近くによって見てみると「交通安全母の会」と書かれているんで,実際にはそこの会員のお母さんがいるということなんだろうけれども。でもそれを玄関先に貼って世間に知らしめるということに何か意味はあるのやら。

 それにしても,年季の入った感じのシールで,引き戸の玄関の風情と相まっていい味を出しております。貼られてからどのくらいの年月が経っているのかはわからないけれども,もうハハはババになっているかもしれないんでありますね。そして笑い声はハハハからハハハハになっているかもしれないんでした。

 亀田町・東船場2あたり。