美意識物件
美意識物件
私は別に犬は怖くはないしキライでもない。むしろ好きな方なのだけれども,路上を歩いているとなぜか吠えられるんですね。それはもう,親のかたきのように吠えられる。だから,路上で犬がいるとピクッとかまえてしまったりするわけなんでした。
まぁ,私の場合はよそ者がほとんど入ってこないようなところを歩いたりするから,そういうところの犬というのはよそ者に慣れていないのだろうと考えることにしているんでした。
でもホントは前世で私が猫だったり犬肉調理人だったり,現世の私が何か犬にしか見えないドス黒いオーラを放出してたりするのかもしれないけれども。
で,写真。私はこの写真の左側から歩いてきて,まず右側の2体の犬の置物が目に入ったんでした。それでちょっとピクッとしたんだけれども,すぐに「なんだ。置物じゃん」と思って歩を進めたら左の本物の犬がいて,「うお」とちょっとヘンな声を出してしまったんでした。
幸い吠えられなかったですけれどもね。街道沿いの家だったこともあって慣れていたのか,もともとおとなしい犬だったのか。でも写真を撮ったら急に立ち上がりかけたので,びびってすぐにそこを離れましたけれども。人様の開いた玄関先を撮るというのもちょっと遠慮があるし。
しかし,この本物の犬にとって,置物の犬というのはどういう存在なんでありましょうか。外から見れば,置物は本物にそっくりで微笑ましく思えるのだけれども,本物は鏡みたことないだろうから自分の姿というのは多分知らないだろうし。
「何か,生き物の形をしているようだけれどもニオイもなんにもしないヘンな物体」くらいに思っているのか。それとも,犬種独特の本能的な美意識というのがあって,この造形を美しいと感じたりするのか。あるいは,な〜んにも感じちゃいないのか。犬になってみないとわからないのでした。
しかしこのお宅,犬マークが3枚貼ってあったのだけれども,置物の犬の分もあるんではあるまいな。
津川町。詳しい地名忘れたんだってば。