ピンピン物件

ピンピン物件


 生き物を「物件」と呼ぶのはちょっと乱暴かなと思ったりするわけですけれども,生き物というのを「生きている『物』にすぎない」「『物』がたまたま生きているだけである」と考えるならば,これも即ち物件と呼ぶにしかるべきと言わざらんことをあらまほしけれとおぼゆるにあたりけむとて,ありおりはべりいまそがり…とごまかしてみたりするんでした。
 まぁ,規制緩和の世の中だし。関係ないか。

 そんなわけで,犬であります。生きている犬。眠っている犬。車庫の中で飼われている犬。
 通常は車庫の中にいるんだけれども,やはりお日様にあたりたいんでありますね。いい感じの日光浴。
 いい感じなんだけど,ちょっと日差しがまぶしい。人間さまならサングラスでもかけるところ。犬がそんなもの持ってるわけもないのだけれども,この犬の場合は自らの耳で日差しを遮っているんでした。さらに,電柱の影もうまく使っている。
 たまたまそう見えるだけなのかどうかわからないけど,自分の身体的特徴もうまく使ってるですね。長年ここに住んできた,地の利も活かしているようなんでした。

 …しかし,熟睡しておりますですね。その証拠に,体の一部分がピンピンしております。犬でもそうなるのか?


 こちらは,おそらく神社で飼われている犬。別にそれだけなんだけれども,今まで多くの神社をまわってきて,こま犬といっしょに写った犬は初めてだったんでした。

 せっかくなら,こま犬と同じ「構えの態勢」をとらないかと思ってちょっと待ってたんだけど,そううまくはいきませんでしたね。いつも犬にほえられる私なのに,この犬は悠然とかまえてるだけだったんでした。

 しかしどうせここに犬飼うんなら,もう一匹同じ犬飼ってこま犬と並べておけば話題になりそうではあるな。でもそれもヤラシいか。
 で,そんなのが流行るとお寺も対抗意識燃やして,引退した力士を金剛力士像と並べたりするようになるかもしれない。…ああ,なんかイヤだ。

 上は新潟市・本町通14あたり。
 下は五泉市・宮町あたり。