ねじ式物件
ねじ式物件
視線恐怖症の人には耐えられないであろうと思われるこのカンバン。いや特に視線恐怖でなくても,これはコワイ。夜は通りたくないなと思う。ここは商店街だけれども,深夜,灯の消えた商店街を一人で歩いているときに,このカンバンだけがぼんやりと光っていたら…。
このカンバンがコワイのは,他に何も書いてないところでありますね。何か文字でも書いてあれば全然コワクない。たぶん。
視線を感じるというと,街にはメガネのカンバンというのも多くあるのだけれども,あれはもう見ただけでメガネ屋だというのがわかるから,さしてコワクない。両目だし。
しかるに,このカンバンは文字も何もなく,片目で,マツゲすらないわけですなわち表情も無く,ひたすらコワイわけなんでした。
まぁ,実際にはここも時計やカメラのお店で,それがわかってしまうとコワさも半減するわけなんですが。でもまだちょっとコワイ。
しかしこれ,お客を呼ぶ効果あるんであろうか。鳥よけの目玉マークというのがあるけど,これはもう人間まで追い払いそうな気がする。
でも,これをじっと見てるとなんだか催眠術にでもかかったような感じになって,ふらふらと店に入ってしまいそうな感じもしないでもないけれども。
タイトルの「ねじ式」というのはもちろんご存知ですね。つげ義春の有名な漫画。その中に「村の中に目医者しかない」というひとコマがあって,こういうカンバンがたくさん並んでいる。それを思い出したわけなんでした。
このカンバンの近くには「朝日湯通路」という先の見えない長い暗い通路があって,足を踏み入れたらもうこちらの世界には帰ってこれないんではないかと思わせる空間もあったりするんでした。
シュールな商店街であります。
加茂市の商店街。五番町あたりだったか?