くれ物件

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 ありがちと言えばありがちでありますけれども,「募金箱」ではなくて「暮金箱」なんでありました。「ぼきんばこ」ではなくて「くれかねばこ」。非常に直截的でよいかもしれない。同情するより金をくれ。古いな。

 しかしまぁ,実際に「ぼきんばこ」と書いてみろと言われると,ちょっと考えてしまうかもしれない。ワープロばっかり使ってるとね,どうしても微妙なところがあやふやになってくる。
 実はこの「暮金箱」を書いたのはお年寄りで,ワープロ使ってるとも思えないんだけれども。逆にそういう人は,ついいつも使っている文字が出てきてしまうのかもしれない。「募」なんて字よりも「暮」の方が使うケースは多いだろうし。お歳暮とか。ちょうどこの募金箱,お酒の箱だし。

 年寄りだと,そろそろ「墓」の方が気になってたりして。あるいは,隣りの後家さんが気になるすけべじじいは「慕」の方か。でもさすがに「墓金箱」とか「慕金箱」とは書かんわな。

 でも「基金」と「墓金」は間違う可能性あるか? 前に「公園の一角に大きなハカイシがある」という話を聞いたので見に行ったら大きく「基石」と書かれてたこともあったし。
 外人さんなんかは間違わないもんであろうか。最近はテロなんかもあったりするし。「基地」と間違えて「墓地」を攻撃するなんてこともなきにしもあらず…でもないか。

 本町通13あたり。曙公園。いやもちろんこの箱はもうありませんけれども。