強敵(とも)物件

強敵(とも)物件


「好敵手」と書いて「ライバル」と読む,というのはいつ頃から始まったんだろう。「好漢」と書いて「ナイスガイ」とか。
 まあ,この辺の,英語の意味を訳したものをルビにふるというのは,昔の大正文学あたりから似た形は見られるんだけど,最近は日本語にルビがふられることが多いでありますね。しかも,意味が微妙に屈折しているもの。
 タイトルの「強敵」と書いて「とも」と読む,というのは格闘漫画なんかでよく出てくるものでありますね。「拳をあわせればみんなダチじゃぁっ」というやつ。たとえ相手が激闘の末に死んじゃってたとしても。
 この屈折ルビというのは,表面的な言葉と内面の気持ちを同時に表現するのに便利なわけでありますね。ルビが言葉になるのか逆に気持ちになるのかは,状況によりますが。

 で,写真のカンバン。「御遠慮」と書いて「おやめ」と読む。
 まあ微妙ではありますが,へりくだり方にちょっと差があるようでありますね。ルビの方はちょっと強気になっている。
 そして,実際に注意されるときには「オラ!入んなっつってんだろうが。読めねえのか。このボケが!」と言われるんではないかと思ってしまうのでした。
「用のない人が通ると危険である」ということからも,それが見て取れるんではないかと思われるわけなんでした。
「東京」と書いて「愛」と読む,なんてのもありましたね。知らんか。

 竹尾あたり。