熾烈物件
熾烈物件
いや,このハリガミにはおかしなところというのはまったくないわけなんですね。奇をてらったことが書いてあるわけではないし,間違ったことが書いてあるわけでもない。実際,ここから左へ50メートルくらい行くと,大手コンビニエンスストア,ローソンがあるわけです。ちょっとウネウネした道になるけれども。
でも,なんだかこのハリガミ,違和感を感じてしまうんですね。違和感というか,不安感。ホントに,左へ50メートル行くとローソンがあるんだろうか。いやそこにローソンがあるのはわかってる。ひょっとすると,ローソンだと思ってたあれはローソンではないんではないかと思ってしまう。ローソソとかいうニセモノなんではないかという気さえしてくるのでした。
それはつまり,あの巨大組織のローソンがこんなチャチなハリガミをするであろうかと,思ってしまっているわけなんですね。ローソンでピンとこない人は,チラシの裏に手書きで「伊勢丹 左50メートル」と書かれていたらどう思うかを考えてもらえばいいかと。それでもイマイチなら,「国会議事堂 左50メートル」あたりならどうか。まだダメなら,「皇(自粛)」。それはともかく。
してみると,ファストフードやファミレスその他の店員がマニュアル通りの動きしかしないということが言われて久しいのだけれども,我々の頭の中にも,妙なマニュアルがインプットされてしまっているのだなぁ,と思ったりしたわけなのでした。
まあ,ローソンが巨大組織と言っても,個々のお店はその1軒で商売をしているわけで,涙ぐましい努力があるのだとは思いますけれども。
実際,写真の道をまっすぐ100メートルほど行った左側の茶色いビルの正面には,このハリガミと別のローソンがあったりするんですね。おそらく,この道を行く人に対して「ここからはうちの方が近いから,同じローソンへ行くんならうちに来てね」と,このハリガミは言っているんでした。グループ内の,熾烈な戦い。
100メートル先のローソンの人は,このハリガミを知っているのかどうか。
弁天2あたり。