パートナー物件

パートナー物件


 さるアパートの駐車場。前の道路が狭いために,駐車にも一苦労のようなんでした。
 で,左上のカンバンには「月極駐車場 駐車の際は車の前部を建物に向けて駐車してください」と書いてあるんでした。前進で駐車した方が建物との距離感がつかみやすいからということなのかもしれないけれども,それにしても見事に壁がへこんでいますですね。5台分くらいの駐車スペースがあるんだけれども,軒並み,すべてのスペースでへこんでる。しかも,1回や2回じゃなさそうなくらいにぶつかってる様子。

 だいたい,この車止めが用をなしてないわけですね。ここにタイヤがつくころには車体が壁に激突している。以前にもこういう物件があったけれども,設計者はこれをただの飾りだと思って作っているんではないかと思ってしまうわけなんでした。なまじこんなのが無い方が,注意して駐車するからぶつからないのかもしれない。

 トマソンのように見えるけれども実は役にたってる「にせトマソン」というのがあるけれども,こちらは役にたつように見えて実は無用の長物・トマソンであるわけですね。普通,トマソンというのは最初有用だったものがその役割をなくすことによって発生するんだけれども,これは生まれながらのトマソン。
 まあ,少なくともこれを作ろうとした段階ではトマソンではなかったんだけど,できてみたらトマソンだった。「できちゃったトマソン」なのでした。

 ただ,この場合,車止めというモノそのものにあんまり面白味はないのですけどもね。壁のヘコミができて初めてトマソン性が発現している。いわば壁のヘコミがトマソンの額縁となっているわけで,これなくしてトマソンにはなり得ない。才能を引き出す,すばらしいパートナーとなっているわけなんでした。
「いくでぇっ!豆タン!」「はいな。あんさん」

 牡丹山2あたり。