加湿物件

加湿物件


 さる小学校の前に林立する交通標語。一生懸命考えたものを茶化しちゃいけないわけですけれども,やはり色々と考えてしまうというのが,路上観察者のサガだったりするのでした。

 まず1枚目,右から。
「あぶないよ 夜は一人で 歩かない」
 365歩のマーチによれば「幸せは〜んにゃ 歩いてこない」わけですけれども,この標語によれば,夜も歩かないようなんでした。ただし,一人では歩かないということなんで,複数になると歩くのかもしれない。すなわち,「夜」というのは一人じゃなんにもできないけれども,徒党を組んでやってくるやつらなんで気をつけましょう,と言っているわけでありますね。

「曲がり角 きちんと見よう 右左」
 あまりにまともなんでツッコミようもないんだけれども,これ,オリジナルなのか?と思ってしまうんでした。一応,作者の名前も書いてあるんだけど,今までにこれと同じ物はなかったであろうか?


 つづいて2枚目,右から。
「気をつけて 雨の日見えない ぼくたちが」
 これは「ぼくたちが 見えない雨の日 気をつけて」とするとスッキリするような気がするんだけれども,大胆な倒置法をつかっているわけでありますね。やはり「気をつけて」を強調して,ドライバーの注意を喚起していると。でも,その結果理解しにくくなったこの標語を見て,注意が散漫になって事故を起こしやすくなったりするんではないかとも思ってしまうのでした。

「帰り道 家が近いが ゆだんだめ」
 これはおそらく「家が近くなってきても,家に着くまでは油断してはいけませんよ」ということなんだと思うのだけれども,なんだか学校から家までの距離が近い人限定の標語のような感じを受けてしまうのでした。「ゆだんだめ」というのもちょっと強引だけど,五七五でおさめようという苦労が見えるわけなんでした。

「安全は 家庭の中から しっけから」
 こちらは子どもの作品ではなくて,交通安全協会のもの。さすがにオトナは五八五になっても気にしない。さらに「安全に必要なのは湿気である」という新説が提示されていて興味深いのでした。雨の日の方が事故は起きにくいのか? これからは交通事故多発地点には加湿器が置かれるようになるかもしれない。

 松浜7,松浜小学校前。