かし物件
かし物件
ひきつづき,村上市の物件。
ほんま屋さんは,昔のお菓子を売っているらしいんでした。村上というのは城下町なんで,昔からの伝統的なお菓子というのもあるかもしれない。でも,ここで言うところの「昔のお菓子」というのはそういうんではないような気がするですね。「昔懐かしいお菓子」というような感じかなと。
昔,我々が「なんか屋」で買ったようなお菓子か。クロボーとかカレーあられとか。あるいはもうちょっと前の世代の素朴なお菓子か。ちなみに「なんか屋」というのは,新潟における駄菓子屋の呼び方であります。
でも,単に賞味期限の切れたお菓子を売ってるんだとしたらイヤだなぁ。そう考えてみると,「昔の」というのは色んなとらえかたが出来るのでありますねぇ。歴史的な昔なのか,自分の経験としての昔なのか,期限過ぎという意味での昔なのか。
しかし,「むかしのおかし」と韻を踏んでいるあたり,ほんま屋主人はなかなかの粋人ではないかと思わせるんでした。このカンバンを出したいがためだけにお店を始めたんではあるまいか。主人の名前が「隆志」とかだったら「隆志の昔のお菓子」,さらに出身が明石だったら「明石の隆志の昔のお菓子」,さらに…とつながっていったかもしれない。
そして,そんなほんま屋さんは「お菓子屋」なわけですけれども,そのお隣りの家は「貸家」だったりするんでした。
村上市・細工町あたり。