表札物件

表札物件


 何の変哲もないドアなんですけれども,このドアの上の方には「火災報知機」と書かれた赤いプレートがついているんでした。
 おそらくこのドアの中に火災報知機が格納されているんだろうけれども,イザというときに慌てずにドアを開けて報知機のボタンを押せるんだろうかと心配になったりするわけでありますね。
 人間,パニックになると何するかわかんないし。引いて開けるドアを一生懸命押してたり,ノックして返事がないもんだからいつまでも開けなかったり。そんなことはないか。
 確認はしなかったけど,まさか普段は鍵がかかってたりはしないだろうなぁ。

 あるいは,ここは火災報知機の家なのか。ドアを開けると,たくさんの火災報知機がここで休んでるのね。パンツいっちょでナイター見ながらビール飲んでたりして。で,時間になると出勤していく。もちろん交代勤務。
 それとも人の名前なのか。さすがに「火災報知機さん」て人はいそうにないけど,貧乏な「葛西法吉さん」が表札が買えないもんで,「響きが似ている」という理由でその辺の火災報知機から剥がして持ってきたものかもしれない。
 でも郵便は届きそうにないな。
 ホントに葛西法吉さんて人がいたらゴメンしてください。

 東堀通8あたり。