円錐物件2



 今回はまたパイロンあるいは三角コーンと呼ばれるものを集めた物件であります。

 上の物件は、パイロン・イン・パイロンであろうかと思われるんでした。パイロンの中にまたパイロンが入っている。
 そして、中にはいっている黄色いパイロンは硬い物質でできているようなんでした。コンクリとかそんな感じのものであります。
 なぜこのような構造にしているのか。パイロンが飛んでいかないようにということなのかどうか。

 あるいは、これは罠なんでありましょうか。パイロンを蹴って喜んでいるような不埒者に対する秘密兵器だったりするのかどうか。
 鼻歌を歌いながらいつものように「おりゃっ」とパイロンを蹴って、路上をのたうち回る不埒者の姿が見えるようであります。
 実際、割れてるし。何人の不埒者が餌食になったのか。

 新潟市東区。


 こちらの物件は、手袋をはめられたパイロンであります。路上を見る上では「片手袋」というジャンルもありますけれども、そちらにも該当すると思われるものなんでした。

 落ちている手袋を見つけたときにどうするかというと、そのまま放置するケースが多いと思われるところであります。
 しかし優しい人であれば、落とした人が見つけやすいようにどこかわかりやすいところに置いてあげるということもあるわけでした。わかりやすいところというのがパイロンの上だったのかどうか。

 ただ、これだと手袋の手首がガバガバになってしまわないだろうかという心配もあるところなんでした。
 してみると、これは優しさということではなく、意図されたものなのかもしれないでありますね。
「あいや。待たれよ」とでも言ってそうな手袋は「このパイロン動かすべからず」みたいなことを言っているのかもしれないんでした。

 新潟市東区。


 こちらも何かがパイロンの上に乗っているというものでありますけれども、こちらは湯呑み茶碗がかぶせてあるんでした。
 これはどういうシチュエーションでありましょうか。道路に落ちていた湯呑みを親切な人が拾って……ということはあんまりないような気がするわけでした。

 そうすると、これはこの土地のオーナーが置いているんでありましょうか。ときどきやって来てはこの湯呑みでお茶を飲んだりするのか。あるいは、このパイロンには魔物が封印されていて聖なる湯呑みで塞いでいたりするのか。
 はたまた、オーナーはすごい有名人で、「you know me」と言って牽制しているんでありましょうか。
 考えてみると「私はあなたを知っている」と言われるよりも「あなたは私を知っている」と言われたほうがわけわかんなくて不気味ではあります。

 新潟市東区。


 こちらは特に何の変哲もないパイロンであります。新発田市所有のものでありましょうか。

 ただ、その「新発田市」の文字が下に行くにしたがって大きくなっていくというのが、なんだかカワイイと思ってしまったわけでした。
 確かに、この形状の物に字の大きさを保って書くのは意外と難しいのかもしれないですけれども。
 あるいは、それは目の錯覚であって実はこの文字はすべて同じ大きさで書かれているんでありましょうか。だとすると、新しい錯視の誕生かもしれないんでした。

 新発田市。