ツリー物件
今回の物件は、描いているのが師走ということでツリー関係であります。というのはまったくのこじつけであって、単に樹木関係の物件なんでした。
上の物件は、小さな緑地的な公園で見かけたものであります。
ブロック塀の隙間に指を入れて強引にこじ開けようとしている樹木なんでした。
見方によっては、攻めてきた樹木を迎え撃つために集まってきた、働き飾りブロックの群れのようでもあります。
じっと見ていても動きはなかったですけれども、樹木やブロックは悠久の時を生きてゆっくり動いているので、我々には動いていないように見えただけなのかもしれないんでした。
新潟市東区。
こちらはどこかのお宅の玄関先に置いてあった鉢植えであります。
しかし、この妖艶さはどうでありましょうか。ナマメカしい感じがしてくるところではあります。
関係ないですけれども、ナマメカしいというのは、むき出しのメカニックみたいな語感でありますね。そういうのに興奮する人も中にはいるかもしれませんが。ホントに関係ないな。
このお宅の人も、このナマメカしさの虜になってしまって操られているのかもしれない。そして、虜を増やそうと玄関先に置いているのかもしれないでありますね。
そしてこんなサイトで紹介して拡散しようとしているというのも、操られてしまっているからなのかもしれないんでした。
新潟市中央区。
こちらもなんだか妙に人っぽい感じを受けてしまう樹木であります。床に手をついて大きく足を開いて
「さあ、坊や、怖がらずにいらっしゃい」
とでも言って誘っているかのようなんでした。
坊やはもう固くなって天を衝いてしまっているようであります。何を言っているのか。
新潟市東区。
上の二件はナマメカしさを態度で表してしまっているわけでありますけれども、そういう樹木ばかりでもないんでした。
こちらでは、ポポポとハートを射出してかわいらしく相手を射止めようとしているようなんでした。
相手をどうやって悩殺するかというのは、樹木にもいろいろな戦術があるようでありますね。違うような気もしますけれども。
あるいは、この樹木は樹木会の空也上人でありましょうか。空也上人もハートを出していたらもっとバズったんではないかと思ってしまうところであります。
新潟市中央区。
オマケ。これは夏頃にとった写真であります。マスクの木。マスクはこうやって収穫するのであろうかと、思ってしまうわけでした。
これを書いているのは令和二年十二月でありますけれども、この年は通称新型コロナウイルスというのが流行って世界中が大騒ぎした年だったんでした。
この写真は、マスクも品薄の貴重品みたいなものになっていた頃であります。
この文章を何年か後に読んで「ああ。あの年はなぁ……」と笑っていられるように願いたいところであります。
新潟市中央区。