力技物件



 今回,力強そうな感じの物件を小ネタ的にお送りします。

「植物は強し」タイプの物件であります。このタイプは「もの食う木」という呼ばれ方もするように,フェンスや看板,電線や柱などを食べてしまうような感じになることが多いんでした。

 しかし上の物件では「食う」というより「つかむ」という感じでありますね。もう,わしづかみで家の土台から持ち上げて「えすくれめんとぉっ」と投げてしまいそうなんでした。

 指が折れてるんではないかという気も若干しますけれども,指なんか折りながらも強引に投げてしまうというのが「力技」であります。


 銀色の郵便受けが活躍中のようでありますけれども,そのとなりにもかつて赤い郵便受けがあったんであろうと思われるんでした。

 古くなった赤いのをカッコいい銀色に変えようとしたんだけれども,赤いのがもう簡単にははずせないようになってしまっていたんでありましょうか。
 おそらく相当な苦労の末に,えい面倒とばかりに,ベリバリボリゴリと引っぺがしてしまったような感じを受けてしまうんでした。

 残された赤の背面は「えっ。それをやるのか」という表情で逆さに張り付いております。違うかもしれませんけれども。

 しかし銀色のほうも少し衰えが見えるような気もするので,そのうちにベリバリボリゴリとはがされてしまうかもしれないんでした。


 さるマンションの配管であります。上下に3本のびていますけれども,まっすぐのびているのではなく途中で一本分ずれているんでした。
 人体切断マジックなんかでありそうな感じであります。

 私は建築配管関係は疎いので,合理的な理由があるのか単なるデザインなのかというのもわからないんでありますけれども,シロートからすると何か強引さを感じてしまうんでした。
 まっすぐだった管を,誰かがえいやっと一気にずらしてしまったような。

 あるいは,ズレが生じているボックスの中に空間をゆがめるような装置が入っていたりするんでありましょうか。


 こちらは,解体工事が予定されている雑居ビルであります。
「工事の為,ました。」ということで,大喜利が始まりそうなハリガミになっているんでした。

 工事のためにどうしたのか気になるところではありますけれども,実はこれで文章は完結しているのかもしれないでありますね。

 つまりは,「工事の為,当店は真下にあります」ということなのかもしれない。次の瞬間に床がパカッと開いて強引に店内に落ちていくという力技を行使されることになるのかもしれないんでした。

 という具合に,無理矢理オチへ持っていくあたりも力技であります。

「わしづかみ」は新潟市中央区・本町通11あたり。
「郵便受け」は新潟市中央区・本間町3あたり。
「ズレ配管」は新潟市中央区・本町通13あたり。
「ました。」は新潟市中央区・古町通8あたり。