モノノケ物件
今回は,街に潜むモノノケっぽいものを小ネタ的にお送りいたします。
いや,潜んでないからこうして紹介できるわけですが。
でも,見えない人には見えていないのだろうなと思うと,妖怪も路上物件も似たようなものであろうかとも思うわけでした。
ということで,上の物件。
さる公園の入口に存在する,これは何なのか,まぁ,名づけるならば,公園ボウズであります。
カワイイと言えば言えなくもない感じのするところではありますけれども,白い涙を流す姿からして,コワイの方が勝つような気がするわけでした。
カワイさを強調して人を公園に呼びたいのか,コワさを強調して人を寄せ付けないようにしたいのか。
それは見る人の心によって変わってくるという,実は高度な造形なんでありましょうか。
ひょっとするとこれはモノノケではなくてカバが上向いてるのかもしれませんが。涙じゃなくて鼻水。それならコワくは…コワいか。
こちらは何かのお店の入口のようであります。
蔵の外観を取り入れたお店のようで,扉も蔵のそれが使われているらしいんでした。
その扉の飾り金具が,ちょっとカワイらしいと,思ってしまったわけでした。
本人(なのか)は「この入口はボクが守る!」とファイティングポーズをとっているけれども,相手には「うんうん。かわいいかわいい」とあしらわれて「ムキー!」とか言ってそうな感じであります。
この周囲がぼわぼわした様子は,某アニメ映画に出てきた,まっくろくろすけみたいなものでありましょうか。蔵の扉なので,まっくらくらすけか。
真ん中のふたつを目と見るか鼻の穴と見るかで印象は違ってきそうですけれども。
廃資材置き場的なところにのっぺりと何かが立っていたんでした。
やはりまぁ,ぬりかべでありましょうか。日本人のほとんどはそう考えてしまってもおかしくないところであります。
外国の人にはそういう概念というか共通認識というのがないのだろうなぁ,と思うとちょっと不思議ではあります。
あるいは,上のほうが汚れで少し髪の毛っぽくなっているので四角い顔とあいまって「オー!フランケンシュタイーンのかいぶーつ」とか思ったりするんでありましょうか。しないか。
そしてこのぬりかべを見たときに,どれが目かという問題がやはり出てくるんでありますね。
下の大きな穴を目とするなら,ちょっとコワい感じであります。
上の少し離れた小さな穴を目とするなら,下は鼻の穴になって,とぼけた感じになってしまうんでした。
そして,やはりカバみたいになってしまうわけでした。
ぬりかべではなく,ぬりかば…なのか。
こちらは,最近秋田へ行ったときに撮ってきた某ホテルの送水口であります。
送水口も古くなってくると新しいものに置き換わったりするわけでありますけれども,昔のものの形をそのまま残して上にかぶせるような形で新しいものを設置するというのは,あんまり見ないんでした。
だいたいは,古いものを撤去して覆ってしまったりするのに。配管からすべて置き換えるなら,撤去まではする必要もないのかもしれないですけれども。
この後ろにある送水口はすでに役割を終えているわけで,いわばすでに死んでいるわけであります。
その先代が,新しい送水口の働きを背後でじっと見守っている。背後霊,守護霊というようなものである感じがするでありますね。
子どものころオカルトブームで,つのだじろう「うしろの百太郎」は夢中になって読んだものでありますけれども,この「うしろの送水口」はかなり強力な守護霊ではないかという気がするところであります。
あんまり見られていると,現役送水口は少しやりにくいかもしれないですけれども。
「公園ボウズ」は新発田市・住吉町2あたり。
「まっくらくらすけ」は新潟市中央区・東湊町通3あたり。
「ぬりかば」は新潟市東区・松崎1あたり。
「うしろの送水口」は秋田市・大町2あたり。