赤い物件



 白山会さんでは身の上相談と占いをやっておられるらしくて,気軽に訪ねていっていいようなんでした。
 文字のみですけれども非常にシンプルで,わかりやすいカンバンでありますね。

 その文字は色分けがされていて,「と」と「お気軽にどうぞ!」だけが赤であります。
 ちょっと考えると,色としては赤の方が目立つので重要な部分を赤で書きたいところではあります。ここでは「白山会」や「身の上相談」そして「占い」を目立たせるべきなのではないか。という気もするんでありますけれども。

 しかし,我々は知っているんでした。「赤は褪色する」ということを。
 このサイトでもしばしば物件として取り上げている,いわばヘンなカンバンの王道でありますね。重要だから赤で書いているのに,そこだけが真っ先に消えてしまうという物悲しさが,何ともいえないんでした。

 上のカンバンで赤青を逆にしたら,そのうち「と お気軽にどうぞ!」だけが残ってしまい,何が言いたいのかわからない格好のネタになってしまうところであります。
 しかし,今のカンバンなら赤が褪色しても「白山会 身の上相談 占い」が残るわけで,役割は充分に果たせるんでした。

 カンバン主さんはそういうことをよくわかっておられる方なんでありましょうか。
 あるいは「どんなカンバンにするべきか」占ったら,こうせよというお告げがあったんでありましょうか。


 こちらは繁華街の一角にあるお店のカンバンであります。
「みどり」という名前そのままに緑色を基調にしたカンバンであり,緑の植物も配されていたりするんでした。

 ただ,その中で「ど」の濁点のみが赤いんでありますね。差し色というものでありましょうか。よく目立っているところであります。

 しかし,我々(誰だ)としてはやはり「その赤,そのうち消えちゃうんじゃないの?」と余計な心配をしてしまうんでした。
 消えてもいいように横にアルファベットでも書かれているのかもしれませんけれども。「Midori」のあとに「g」みたいな文字がついているのは少し気になりますが。

 この赤い濁点がいつ頃消えるのかはわかりませんけれども,消えたら「みとり」になるわけでありますね。
 遠い将来,人類が滅亡するときに濁点が消え,人類の最期をみとってくれるのかもしれないんでした。


 オマケ。某ガソリンスタンドの入口であります。
 濃い赤で塗られているのは壁だけではなく,電柱も同じように塗られているんでした。

 電柱を塗る権利とかその辺もいろいろな取り決めがあったりするんでしょうけれども,思い切って塗ったなぁと。思ってしまうんでした。

 それにしても,壁の高さまできっちり塗られていてそこから上はまた何事もなかったかのような電柱色であるというのがなんだかちょっとカワイク感じてしまうところであります。

「赤い気軽」は新潟市中央区・稲荷町あたり。
「赤い濁点」は新潟市中央区・西堀前通8あたり。
「赤い電柱」は村上市・久保多町あたり。