シャット物件
シャッターというのは基本的に外部からの衝撃や侵入を防ぐために使われるような気がするわけでした。だから,シャッターは建物の一番外側に位置するものであるような気がしていたんでした。
しかるに,こちらのお宅の場合はシャッターのさらに外側にガラス窓,扉が存在しているわけで,シャッターの存在意義というものが問われているような気がするわけでした。
窓の形からして,かつて(今でもかもしれない)はタバコ屋さんのような対面販売が行われるお店だったんでありましょうか。そういったお店というのはこういう形になりがちだったりするのかどうか。ならないか。
あるいは,シャッターは外側にあるんでありましょうか。
すなわち,我々が外だと思っているこちら側は実は内部であって,ガラスの向こうのシャッターの向こうには,本当の「外」があるのかもしれない。
我々はまだ「外の世界」というのを知らないのかもしれないんでした。
いつかは…外へ…。
こちらは,シャッターに取り付けられたと思われる郵便受けであります。
このままではシャッターを開けられないような気がするんでした。
単にシャッター風の装飾なのかもしれませんけれども,だとしてもその装飾をつぶしてまで郵便受けをここにかける必要があったんだろうかと思ってしまうんでした。
ひょっとすると,このシャッターの向こうには何か秘密のものが隠してあって,二度と開けられないように郵便受けを設置したのか。追手も「ちっ。郵便受けがあって開けられないんだから,ここには無いな」とあきらめるかもしれない。
それとも,ここからはシャッターの開く高さ数十センチのものだけが出入りできるんでありましょうか。
シャッターの向こうには小人の国が…。
オマケ。シャッターにもいろいろな形があって,のぞき窓や手をかける部分があると,それを目として顔に見立てられるものも多いんでした。
こちらのシャッターは窓部分が目となって,取っ手が鼻水を垂らしているかのようであります。
そしてもひとつオマケ。
こちらは目鼻口がそろっていてさらに入口の柱が手のように見えて,逆立ちをしているようなんでした。
そんなわけで,2017年の物件もおそらくこれで終わりであります。
今年もご愛顧賜りありがとうございました。
ということで,そのためのシャッターなんでした。
今年は閉店であります。ガラガラガラ。
「ガラスシャッター」は新潟市中央区・本町通10あたり。
「郵便受シャッター」は新潟市中央区・万代3あたり。
「鼻水シャッター」は新潟市中央区・二葉町3あたり。
「逆立ちシャッター」は新潟市中央区・東堀通8あたり。