ナフレ物件



 いわゆる角のたばこ屋さんのカンバンでありますけれども,非常にオモシロい書き方がされているのに気づいてしまったんでした。
 この前はもう何度も通っていたはずなのに,最近まで気づかなかった。路上観察者として恥じ入るところであります。

 オモシロいと思ったのは,濁点でありますね。通常は右上に打たれる「ば」の濁点が真ん中の上に入っているんでした。
 確かにスペース的には効率のいい表記かもしれないですけれども,これでいいのかどうか。濁点の位置というのはどこでもいいのかと考えさせられるところであります。
 書き方のルールとして実際はどうなんでありましょうか。文字の周囲にあればそれでいいのかどうか。

 まぁ,この表記にもかかわらず今まで何の疑問もなく「たばこ」と読んでいたわけで,読めればいいというものなのかもしれないですけれども。

 あるいは,これは「ば」ではなく「じーよ」なんでありましょうか。「たじーよこ」を売っているのか。
 いや,最後の文字も「こ」ではなく「フレ」なのかもしれない。とすれば,最初も「た」ではなくて「ナフレ」なのかもしれないでありますね。
 すると,これは「たばこ」ではなく「ナフレじーよフレ」なんでありましょうか。

 店のおばちゃんに「たばこください」と言っても「うちにはそんなもの置いてないよ!」と怒られるのかもしれない。
「ナフレじーよフレください」と言うと「あいよ!」とニコニコしながら「ナフレじーよフレ」を出してきてくれるのかもしれないんでした。
 いったいどんなものなのか。ナフレじーよフレ。


 オマケ。
 こちらは「チナシ」であります。
 上の折れている部分に「ク」と書かれているようなので「クチナシ」なのかもしれないですけれども。

 しかし「チナシ」と言われると,血も涙もない冷徹な植物のような気がしてくるわけでした。もともと植物には血も涙もないかもしれませんが。
 そういう考えでいくと,そもそもの「クチナシ」というのも口のない植物みたいでちょっと怖い感じがするでありますね。もともと植物には口はないかもしれませんが。

 あるいは,先の「ナフレじーよフレ」のように考えるなら最後は「シ」ではなく「ノ」に濁点がついているんだったりするんでありましょうか。
「チナノ゛」。どう発音すればいいのかわかりませんけれども。

「ナフレじーよフレ」は新潟市中央区・四ツ屋町2あたり。
「チナノ゛」は新潟市中央区・西堀前通5あたり。