消失物件2
もういつのことだったかわからないくらい昔に「消失物件」というのがあったようなので,今回は2であります。どうでもいいことではありますけれども。
それはともかく,最初の物件であります。
比較的よく見られる,子どもがボールを追いかけて車にひかれそうになっている「子供飛出し!!」のカンバンなんでした。
その子どもが,帽子とズボンと靴はそのままにカラダは消えてしまっているんでありますね。透明人間の家系だったりするんでありましょうか。
それとも,書かれている通りにこれは服から子どもが飛び出しているんでありましょうか。スポーンと。ベッドに飛び込むルパン三世ばりに。
実はこの子はルパン四世だったりするのかどうか。いやもう年代的には五世くらいかもしれないですけれども。
シャツはカラダと一緒に飛び出しているようで,まだ「飛出し脱ぎ」を完全に会得はしていないようであります。要精進。
「子供飛出し!!」の文字は手書きのようで,おそらくは褪色してしまった文字を書き直したと思われますけれども,子どもの絵までは描けなかったようでありますね。
あるいは「飛び出すと消えてなくなるぞ」ということを言いたいのかどうか。
こちらは先日群馬県高崎市を歩いたときの物件であります。
角地にあるビルの前面に大きくビルの名前として「飯島ビル」と書かれていたと思われますけれども,「ビ」の字がほぼ消えてしまって濁点のひとつだけが残ったようであります。
結果「飯島、 ル」となってしまっているんでした。
縦書きであるがゆえに,ひとつの濁点が読点のように読めてしまうわけであります。
「空白に文字を入れて文章を作りなさい」というような,小学生のテストに出てきそうでありますね。
「飯島、走ル」とか「飯島、あせル」とか。「飯島、部活やめルってよ」なんて書く子もいたりするかもしれない。
最後がカタカナであるということから「飯島、キル」という暗殺指令だったり「飯島、セル」という販売促進命令だったり「飯島、プル」という何を引くのかよくわからない命令だったりを考えたりする子もいるかもしれない。
はたまたカタカナでもなく「飯島、兄」であるとか。何を伝えてるのかわからないけど。
最近は思考の柔軟性を見る問題もあったりするようなので,こんなので訓練しておくのもよいかもしれないんでした。こんな柔軟性はいらんか。
オマケ。これは消失しているわけではなくて隠れてしまっているだけなわけですが。
本来は「腰かけないで」だと思われるわけですけれども,「腰かけな」とまったく逆のことを言ってしまっているわけでした。
この「腰かけな」が脳内でどんな声で再生されるかはその人によると思われるところであります。
シブいイケメンの声だったり先輩OLの声だったり優しいおばあちゃんの声だったり。
関西方面の人だと「腰をかけるべきである」という意味合いになるアクセントで再生されるかもしれない。
あなたはどんな声,アクセントで再生されたでありましょうか。
「スポーン」は新潟市江南区・藤山2あたり。
「飯島,ル」は高崎市本町あたり。
「腰かけな」は新潟市中央区・古町通7あたり。