小ネタ物件132


 さて,小ネタコーナーであります。物件としてはちょっとどうかな? と思うんだけれども,なんだか憎めないようなヤツらを集めてお送りします。本物件とどこが違うんだと思われるかもしれませんが,その辺は「なんとなく」なんでした。

 今回は,9月の末に行ってきた山形県酒田市の小ネタであります。
 小ネタにするにはもったいないかなと思うような感じでもありますけれども。




 お寺のわきを通ったときに見かけた,おそらくは廃棄物入れに掲げられたカンバンであります。
「花・紙類,以外 ぜったい捨てないで下さい」とのことなんでした。

 お寺だから花や紙類は廃棄物としてしょうがないけれども,家庭ゴミとか関係ないものは捨てないでくだされ,ということでありましょうか。

 ちょっと気になるのは「以外」にだけ赤くフリガナが振られているところであります。確かにこれの有無で意味が逆になる重要な言葉ではありますけれども。そんなに強調しないといけないほどなのかどうか。

 ひょっとすると,これはフリガナではなくて独立した言葉なんでありましょうか。
「花・紙類,イガイ 以外ぜったい捨てないで下さい」ということなのか。
 つまりは,ここには遺骸も捨てていいということなのかもしれないでありますね。お寺だし。(違います。たぶん)





 こちらは屋外にある消火器入れのようなんでした。消火器の文字は消えていますけれども。

 なにより気になるのは「親密自治会」の文字であります。
 まぁそういう名前の土地や自治会があってもおかしくはないであろうとは思いますけれども,やはり「この町内の人たちはどれだけ親密なのだろうなぁ…」と思ってしまうのは致し方ないのも事実なんでした。

「消火器」の文字はきれいに消えているのに「親密自治会」の文字はくっきりと残っているということは,これはもはや消火器入れではなく,親密自治会そのものであると言っているんでありましょうか。

 この扉をあけると,その向こうにはすばらしい親密な世界が待っているのかもしれないでありますね。うっとり。




 お店の入り口に貼られたハリガミであります。 「こちら側は当店の駐車場ではあり」とのことなんでした。

「ません」というのが続くような気がするところでありますけれども,お店の人が「北の国から」的な言い回しの好きな人なのかもしれない可能性もなきにしもあらずという気がしないわけでもないような気もするんでした。しないか。

 あるいは,こちら側は当店の駐車場であるけれども,それと同時に羽蟻でもあるということなのかもしれないでありますね。なんだそれは。




 あらかじめあやまっておきます。すみません。
 人様の名前でオモシロがってはいけないというのは重々承知しておりますが,オモシロくなってしまうものはまぁある程度しょうがないことだからちょっとカンベンしてください,というのがうちのスタンスでありますので,怒らないでいただきたいんでした。

 ということで,歯医者さんであります。萬年歯科医院さんとおっしゃるんでした。
 万年○○というと出世したいけれどもできない状態をあらわしたりするわけでありますけれども,歯医者さんというのは出世すると何になるんでありましょうか。

「いつか外科医になりたい」とかいう野望があったりするんでありましょうか。いや,歯医者さんが外科医より下だということではなく,言葉のアヤであります。

 しかし歯医者さんではない萬年さんもたくさんいらっしゃるのかもしれないわけで,普通の会社員であったら「万年係長」とか言われたりしている方も多いような気もするんでした。
 そんな風に呼ばれるのがイヤで,それをバネにして一気に社長になったりする人もいるかもしれないでありますね。

 あるいは,職人さんになるかもしれない。書道が好きな人は,毛筆作りを始めたり。
 それで店をもつようになるのだけど,店名を「万年筆店」にしてしまって,万年筆を買いにくるお客さんばかりになってしまったりするのかもしれないんでした。
 全国の萬年さん,おこらないでください。




 今回の物件はすべて酒田市。