にゅ物件

にゅ物件


 津島屋の諏訪神社近くにある,立派なお宅。一本だけ横にのびてしまっている木のために,その部分だけ石垣にスリットをつくっているという,まあ,今となってはそれほど珍しくもない物件なのでした。写真もうまく撮れてないし。


 さて,ここからちょっとシモネタが入りますので,そゆのがキライな方は以下の文章は読まずに次の物件へおすすみ下さいませ。ま,私が恥ずかしいというだけなんですけれども。



 …では,よろしいかな。

 私は,いつの頃からか下着はトランクス派なんでした。できればニットで多少伸縮性のある前空きのやつがよろしい。で,あとは柄なんかを見て決めるわけだけれども,時には2枚パック1000円なんてのも買ったりするわけですね。「2枚よりどり」だと手に触れて確かめられるんだけど,「2枚パック」の場合はよくわからない。でも,ニットで前空きで柄も見えてるから…ということで安さにつられたりするのでした。

 で,そーゆーのを買ってくると,前空きはいいんだけど,その前空き部分にボタンがついてなかったりする。だから前部分は割とガバガバ開いたりするわけで,ちょっと落着かなかったりするのでした。でもせっかく買ってきたのをはかないわけにもいかないんで,それに慣れなきゃいけないし,慣れてくるものなのでした。まぁ,普通にはいてる分にはナニがまろび出たりもしないわけだし。


 さて,そんなトランクス派の私が,数年前に尿管結石というのに見舞われたのでした。これは痛い。すさまじく痛い。夜中に七転八倒したくらいなんだけれども,その痛みが過ぎてしまうと割となんともなくなってしまうもので,翌日近所の医者へ行く頃にはすっかり健康な人になっていたのでした。

 でも当然ながら,医者へ行けば尿検査とか血液検査とかエコー検査とかするわけですね。そしてさらにレントゲン検査を。私は自慢じゃないけれども今まで入院するような怪我や大病はしたことないんで,腹部のレントゲンなんかはやったことなし。で,その時が初めての体験だったのでした。

 で,割とかわいくて若い看護婦さんに連れられてレントゲン室へ。すこし暗めの部屋に2人で入るとベッド状の台に寝かされて,「それじゃあズボンをヒザくらいまで下げてください」と言われる。言われる通りにすると,看護婦さんは私のパンツの前の部分をじっと見つめて「ボタンはついてないですね」。ボタンがついてるとパンツも脱がされたりするらしい。ボタンがなくてよかった。とその時は思った私。

 しかし,そんなところを見つめられたりしたせいで,ちょっと変な気持ちに。さらに撮影のために私の腰のあたりを動かしたり背中と台のすきまに手を入れたりするんで,より変な気持ちに。薄暗い中でかわいい看護婦さんに身体をいじられたり見られたりしたことによって,私の身体の一部はちょっと変化しはじめていたのでした。

「ああこりゃいかん」ということで,円周率20ケタを頭の中で唱える私。でもすっかり健康体の私の身体には,その呪文も効果はなかったのでした。ホントに具合が悪ければ,そんな身体の変化もしないだろうに。その変化の度合いは,すでに80%ほどに達していたのでした。

 仰向けに寝た状態で,おそらくテント状になっているであろうその部分を隠すこともできずに恥ずかしさをこらえる私。恥ずかしいんで,そのテントの方を見ることもできない。すると看護婦さんは,私のテントになっているであろう腰のあたりにタオルをかけて,隠してくれたのでした。
「ああ。やっぱり状態の変化がわかっちゃったんだなぁ。でもまぁ,看護婦さんにとっちゃこんなことは日常茶飯事なんだろうなぁ。うん,そうだよ。別に恥ずかしくもないんだ」と自分を勇気づける私。そんなことをしてるうちに,レントゲン撮影は終了したのでした。

「はい。終わりでーす」と看護婦さん。そして腰にかけたタオルもとってくれる。私は「ああ。恥ずかしかった」と起き上がりかける。すると。

 私のボタン無しトランクスの前空き部分から,かわいい○△×が「にゅ」と顔をのぞかせていたのでした。
 看護婦さんは,ただ変化に気付いたんではなくて,これを見てタオルをかけたのかっ。これは恥ずかしい。最初からパンツ脱いでた方がまだマシ。ああああああ。
 そのあと,私は看護婦さんと目を合わせずにズボンをはいて,そそくさとレントゲン室を後にしたのでした。ああ恥ずかしい。もうこの医者行けないと思った私。いや今も行ってますけれども。


 そんなわけで,その時の思い出がこの物件を見てよみがえったりしたわけなのでした。なんかこの,スリットから「にゅ」と出ている感じが。