切り抜き物件



 先日佐渡へ行ったときに,相川の大間港というところへ行ったわけでありますけれども,その入り口(なのかどうか)近くにあった案内板であります。

「大間港」と書かれているのはいいんでありますけれども,その下に「AMO」と書かれているので,しばし混乱してしまうんでした。
 まぁ混乱するのも1.5秒ほどであって,すぐに「あ。OMAね」と理解できるとはいえ,ちょっとモヤモヤしてしまうわけであります。

 裏側へ回ってみるとそちらには多くの情報が記されていて,この表示も「OMA」と読めるので,実際はそちらが表であって我々が最初に見たのは裏であるのがわかるんでした。
 しかし,それなら「OMA」は切り抜きで書いちゃいかんよなぁと,思ってしまうところでありますね。

「大間」も含めて各文字線対称なんだから,縦書きにすれば解決しそうでありますけれども,アルファベットを縦書きというのは何かゆずれない部分があったんでありましょうか。


 こちらは新発田市の中央商店街であります。商店街名を表示するボンボリの下に,やはり切り抜いたような感じで「中央商店街」と記されているんでした。

 これはまぁ,裏側から見ても別の読み方ができるわけでもないので,むしろ誤解は生じないかもしれませんけれども。
 ちなみに,写真の場所では駅へ向かう方向で歩いたときに正常に「中央商店街」と読めるようになっているんでした。駅方面の歩行者だけがターゲットなのか。

 ここも「中央」が線対称なのでそれを縦にぶらさげておけばよさそうでありますけれども,それだけでは何のことやらわからないのだろうなぁ。やはり「中央商店街」でないと。
「商」も対称だし「街」もまぁ,なんとか対称と言ってごまかせそうな気がするところでありますが,問題は「店」だけでありますね。問題はそこじゃないか。


 こちらはおそらく「高橋ふとん店」さんであろうかと思われるお店であります。
 お店の名前は立体パーツ文字とでも言うようなモノを貼り付けることで書かれているんでした。

 しかし,こういったものは剥がれてしまうリスクがあって,それが物件の対象になりがちだったりするわけでした。
 こちらでは「ふとん」が「小とん」になってしまっていて,小さな豚でも売っているんであろうかと思われてしまいそうなんでした。思われないか。

 そうすると,名前のほうもホントに高橋さんなんであろうかと思ってしまうところであります。
 橋橋さんとか縞橋さんとか。あるいは渦橋さんとか過橋さんとか。ちょっと違うか。


 こちらはおそらく「越中屋」さんでありましょうか。やはりお店の名前は立体パーツ文字であります。

 名前として一番しっくりきそうなのが「越中」だったわけでありますけれども,他にあるかと思っても部首が「走」というのもあんまり思いつかないんでした。

「起」とか「趣」とか。もうひとつオモシロくない。「超」で「超中屋」だと,ものすごく普通のお店みたいであります。「ものすごく普通」というのも日本語としてどうなのかわかりませんけれども。
 あるいは単に「走」を躍動感の出るように伸ばして書いただけなのかもしれませんが。違うか。

 まぁ,このカンバン,もともとは文字よりも飛行石で飛んでるようなイラストに目を引かれたんでありますけれども。
「バルス」を唱えたら「戉」が崩壊してしまったということだったりするんでありましょうか。限られた用途の呪文だなぁ。

「AMO」は佐渡市・相川大間町あたり。
「中央」は新発田市・中央町2あたり。
「小とん」は新発田市・本町1あたり。
「走中」は新発田市・中央町3あたり。