しよ物件



「キッコー○○」といえば,たいがいの日本人は醤油を思い浮かべるんではないかと思われるんでした。
 一番有名なのはおそらく「マン」であります。セブンは無いような気がしますけれども,タロウあたりは,あるいはエースなんかもひょっとしてどこかにあるんではあるまいかという気もしたりするんでした。
 キッコーの母なんかは,ちょっとマニア向けのようであります。いったい何を言っているのか。
 それはさておき。

 物件は「キッコーショウ」のカンバンなんでした。
 まぁ漠然と「醤油のカンバンだよな」とは思ったわけでありますけれども,その後の文字に「?」と思ってしまったわけでした。

「キッコーショウ」に続けて小さめに「しよ」「つゆ」であります。
「つゆ」はまぁ,そばつゆとか醤油関連だろうしわかるとしても,「しよ」とはなんであろうか。
と思ってしまったわけなんでした。

 大方の人はお気づきでしょうけれども,これはおそらく「しょうゆ」の「う」の字の点がとれてしまったものであろうと思われるんでした。むしろ,それ以外に考える余地などないようなものであります。

 ただ,私はこの「しよ」について「これは『塩』のことであろうか」と先に思ってしまったんでした。
 というのも,私の家の台所の調味料入れに「しよ」とマジックで書かれていたことが昔あったんでありますね。そこに入っていたのは「塩」。

 母親に聞いてみると「『塩』って,ひらがなで『しよ』なのか『しお』なのかどっちだっけ」というような答え。
 その頃の私は「『しお』に決まってるじゃん。なんだ『しよ』って」と思ったわけでありますけれども,最近は「世代や地域によって発音も違ったりするし,『しよ』もアリかもなぁ。発音ってひとつの文字に限定されるものでもないしなぁ」などと思ってもいるんでした。
 名古屋なんかへ行けば「質屋」はほぼ公式に「ひちや」だし。

 そんなわけで,カンバンの「しよ」を見たときに「これ,『塩』か?『しよ』表記の証人発見か?」と思ったわけだったんでした。
 で,そんなことを思いつつ写真を撮りながら「ああ。これ『しょうゆ』じゃん」と気づいてしまったんでした。ちょっと残念。

 まぁ,文字の表記なんかは「てふてふ」が「ちょうちょう」になるように変わっていく場合もあるものなので,そのうち我々の世代も「『コンピューター』ってなに。『クヮンプゥテァ』でしょ」とか孫(いないけど)に言われたりするのかもしれないんでした。

「しょ っゆ」は新潟市中央区・古町3あたり。