配管物件



 現代の家は,当たり前のように電気やらガスやら水道やらが入ってくるように出来ているわけであります。水道の場合はさらに出て行く道もあったりするんでした。
 それらの道というのはあまり目立たないようになってはいますけれども,家の周囲,キワの部分で露出せざるを得ない場合もあって,そういうのを見るのもまた楽しかったりするわけでした。

 そんなわけで,上の物件。
 何のパイプだかドシロートの私にはわかりませんけれども,上から下へ(あるいは逆か?)パイプが通っているんでした。

 そのパイプが途中でぐるんと上へ曲って横に伸び,また曲り曲りして最初の直線へ戻っているんでした。
 これは何のためにやっているのか。わざわざこうしているからには理由があるんでしょうけれども。

 トイレの排水管なんかでは,ニオイが逆流しないように常に水が溜まっているU字部分があるわけですけれども,それと同じようなことなのか。
 でもあんまり家の外で,しかも出入口のわきにそういったものを見かけることもないよなぁ,と思ったりするわけでした。

 いや私の注意力がないだけで,プロからすれば当然のものだったりするのかもしれませんけれども。
 あるいは,この家の主人の「結局同じ所へくるにしても,回り道した方が人生おもしろいよ」という人生訓を表わしていたりするんでありましょうか。しないか。


 こちらは,ひとつの飾りブロックから出たパイプが逆方向に分かれ,少し離れたところに排水される仕組みのようなんでした。

 何か離さなければならない理由があるんでありましょうか。混ぜたらキケンなものが出てくるとか。結局側溝で混ざるとは思いますけれども。
 そもそも,なぜ同じような場所から2本のパイプが出てくるのかというところも疑問でありますが。

 単にミスで必要ないパイプを買ってきてしまったけれども,もったいないから使っちゃったということだったりするんでありましょうか。
 でも,微妙に高さの異なるブロック穴から出てきたものを同じ高さに着地させるという緻密さからして,そんなテキトーな理由でもないような気がするところではあるんでした。

 あるいはこれは,この家の主人の「たとえ別々の分かれ道を歩んだとしても,行くつく場所は誰も同じだ」という人生訓を表わしていたりするんでありましょうか。しないか。


 こちらは,迷路のようでもう何が何やらわからないような状態なんでした。
 いやプロが見れば当たり前のことだったり「さすが!」と思わせるような配管だったりするのかもしれませんけれども。

 あるいは,この家の主人の「人生,自分が何処にいて何処にたどり着くのかわからない。それが面白いのだ」という人生訓を表わしているんでありましょうか。しないか。

「まわり道」は新潟市中央区・古町2あたり。
「わかれ道」は新潟市東区・逢谷内5あたり。
「まよい道」は新潟市中央区・西堀3あたり。