凹凸物件



 新潟駅にほど近い,流作場五差路に立つビルの壁面であります。壁が額縁のようにというか,四角錐台の形にえぐりとられたようになっているんでした。

 何かカンバンのようなものがはめ込まれていたんではないかと思いますけれども,以前はどうなっていたんであったか思い出せないんでした。
 まぁ私はあんまりこの辺を歩いては通らないんでありますけれども。でもバスでは毎日のように通っているのに。まだ街の見方が足りないか。

 あるいは,ここは何かの道場であって,道場破りに破れてカンバンを持っていかれてしまったんでありましょうか。違うか。
 それともこれは新潟の鍵穴であって,ここにピタリとはまるカギをセットすると新潟がロボになって飛んでいったりするんでありましょうか。何を言っているのか。


 こちらは,さるお宅の裏口というか小さな裏庭へ出入りするための階段であります。
 この小さな階段の先細り感がよろしいでありますね。出てくるときには末広がり感になるかもしれませんけれども。

 坂道の途中にあるために少し高低差があるようでありますけれども,玄関から出るのが面倒だったりする場合にはここを使っているんでありましょうか。
 ただ,外から自由に入ってこられても困るので,上にはプランターやバケツを置いてガードしているようであります。
 家の人が出入りするときにはそれらをその都度移動していたりするんでありましょうか。

 階段を踏み外したりしないように注意し,出入りのたびにプランターの移動を行うという運動をしているというのは,気づかないうちに健康法になっていたりするのかもしれないでありますね。


 こちらは柏崎市で見かけたものでありますけれども,歩道の縁石を段差スロープを両側に置くことによって乗り越えているようなんでした。
 そして乗り越えている部分は街路樹スペースだったようであります。

 もとはそれでよかったものが,左側の駐車スペースが広くなったことによって不都合が出てきたんでありましょうか。車が増えてくるとなかなかタイヘンであります。

 もちろん住民が勝手にやっているわけではないと思いますけれども,役所に交渉したら「縁石を削ったりするのは予算的にも厳しいので,この辺で手を打ってくれませんかねぇ…」というような感じで決着したりしたんでありましょうか。
 まぁ妥当な線であるかなぁ,などと思ってしまうわけでした。


 こちらも柏崎市。
 まぁ何がどうということでもないんでありますけれども,地面にできた半円形が美しいなぁと,思ってしまっただけなんでした。

 このフード型の屋根によって描かれる半円柱状の空間にはバリアが張られているようであって,建物から出てきて雨が降り出したことを知り,ここで傘をさしつつ「この空間が助かるんだよなぁ」と言いながら店の人と別れて駅のほうへ向かっていく人のことを思ってしまうわけでした。

「ビルの凹」は新潟市中央区・東大通2あたり。
「健康階段」は新潟市中央区・四ツ屋町3あたり。
「歩道の凸」は柏崎市西本町1あたり。
「雨バリア」は柏崎市東本町2あたり。