中へ物件
さるお宅の,車庫なのか何なのか,とにかくシャッターであります。
一見普通でありますけれども,シャッターが二重になっているようなんでした。
実際に2枚が機能しているのかどうかはわかりませんが。
あんまり(いや一度も)家を建てたことがないので,こういったものが一般的なのかどうかよくわかりませんけれども,私としては初めて見たんでした。
二重窓というのは断熱とか結露防止とかでよくあるものでありますけれども,二重シャッターというのはどういった利点があるのか。
やはり断熱効果というのはあるんでありましょうか。
それとも,防犯効果が大きいのか。
ドロボーが苦労してシャッターをこじ開けて,さぁ侵入というところでまたシャッターが出てきたら,確かに心が折れそうであります。
シャッターは一枚しかないものという先入観がある場合は,一枚あけたところで突入しようとして,二枚目のシャッターに激突してガッッシャーーンという大きな音をたてた上で気絶し,御用になるかもしれないし。
そしてさらに,実は二枚でもないのかもしれないでありますね。
この二枚目を開けるとまた三枚目のシャッターが登場するのかもしれない。いやさらにその先には「遠い座敷」のように四枚目のシャッターがあり五枚目があり…。
そうしてシャッターを開けながら中へ中へと進んでいった先には,どんなラスボスが待ち構えているんでありましょうか。
いや,ラスボスがいるならまだしも,延々とシャッターを開けて進むうちに,地球を一周してまたこの場所に出るのかもしれないでありますね。
しれなくないか。
細い道に面したお宅の,壁面というか波板面から雨樋のようなものが突き出ているんでした。ようなもの,というか,実際に雨樋なんだと思いますけれども。
上のほうにはきちんとした雨樋もあるようでありますけれども,右側の屋根から落ちてくる雨水はこの緑色の雨樋で受けるようでありますね。
ちょっと上下の空間があきすぎのような気もするところではありますが。
そしてさらに気になるのが,この樋が内側に傾斜していることでありますね。雨水は波板の内側へ流れていくようなんでした。
この波板の内部がどうなっているのかはよくわかりませんけれども,きちんと外へ排水されているんでありましょうか。
いや排水するんではなくて,雨水を利用しようというエコなお宅なんでありましょうか。
あるいは,中ではものすごい実験が行なわれているのかもしれないでありますね。
この屋根の角度から落下する雨水をこの間隔だけ離れたこの傾斜の雨樋に落として波板を通過させた場合,雨水に含まれた不純物が完全に分離されて純粋な水が得られるとか。水がまったく別の物質に変化するとか。
もっと単純に,屋根からボールなんかを落として樋の中を転がせて遊んでいたりするだけだったりするのか。
波板の中はドミノが並んでいたり色んな装置があったりして,色んなものが動きながら最終的には目玉焼きを焼くような,ピタゴラスイッチみたいになっているのかもしれないんでした。
しれなくないか。
「遠い座敷」は新潟市中央区・沼垂西1あたり。
「ピタゴラ」は新潟市中央区・沼垂西2あたり。