排水物件



 今回,地味な写真ばかりのショート気味でお送りします。

 ということで,最初の写真であります。トタンか何かの太いパイプが壁から外に突き出し,道路に向かっているんでした。
 おそらくは壁の中のお宅から出た生活排水がここから流れてくる仕組みだったんではないかと思われますけれども,その排水が流れていく場所が見当たらないんでした。
 下水道が整備されたことによってその役目を終えたということなんでありましょうか。

 水を流そうと思えば道路に流すこともできるでしょうけれども,9割がたトマソンに足を突っ込んでいるでありますね。
 しかも美麗であります。特に上の曲線,アルマジロかカブトガニかと思うようなヒダが美しいでありますね。持ち主さまも,撤去するには惜しいと思ったんでありましょうか。単に費用がかかるということなのかもしれませんが。


 排水といえばもうひとつ,雨樋であります。
 こちらの立派なお宅は,屋根の四隅がクイッと上がった形になっていて,雨樋も同じ形に上がっているんでした。そして低い部分から下にのびて,2本が合流する形であります。

 さらに下のほうへ行くと,窓のヒサシ部分がじゃまになってしまっているようでそこでギュッと迂回しているんでした。律儀であります。
 なんだか触角の先に目玉がついているデンデン虫星人のようでありますね。そうでもないか。

 でもこういった形は特に珍しいものでもなくて,注意して雨樋を見ているとその辺の普通のお宅でもけっこう見られるものなんでした。
 あんまり雨樋というのに注意しながら歩くということもないので関心を持たなかったですけれども,意外とオモシロい。

 家を建てたことのある人は「こういう雨樋がいい」とか要望を出すものなんでありましょうか。それとも大工まかせなんでありましょうか。そのあたり,家を建てる機会があったら注意したいところでありますね。たぶん建てないけど。


 こちらも雨樋でありますけれども,なんだか大雑把であります。

 前の物件でもそうでしたけれども,雨樋はできるだけ壁面から浮かないように,ムダに壁面を走らないように,と考えて作りそうなものであります。
 けれども,こちらでは「ん? 要は雨が外に流れりゃいいんだろ?」という感じで,思いっきり浮いたつくりになっているんでした。

 ある意味さすがであります。「細けぇこたぁいいんだよ!」という気質なんでありましょうか。
 でも水の出口は路面に閉口になるようにきっちり作っているあたり,計算されつくした構造になっているのかもしれないでありますね。


 こちらは排水ということでもないんでありますけれども。
 おそらくは外に設置した水道の蛇口に赤いカバーをかけただけのものであります。
 ただ,ちょっとなんとなく存在感を感じてしまったんでした。

 いつもは近くの祠に鎮座している真っ赤な頭巾をかぶったお地蔵さまが,ちょっと休憩時間に抜け出して体内の水分を排出している,つまりは向うを向いて立小便をしているかのように見えてしまったわけでした。

 お地蔵さまに休憩時間があるのかとか,人に見えないように立小便をするのかとか,そもそも尿意を感じるのかどうかとか排出器官があるのかどうかとか,あったとしたらそれには他の用途もあるんだろうかとか,いろいろわかりませんけれども,こんなことを考えたからといって仏罰をあてないでいただきたいと切に願うしだいであります。

「大地へ」は新潟市中央区・旭町通2番町あたり。
「律儀に」は新潟市西区・赤塚あたり。
「大雑把」は新潟市中央区・田中町あたり。
「後向き」は新潟市西区・内野町あたり。