オドシ物件



 いや,こちらのカンバンにはまったくおかしなところはないわけであります。きっちりと
「寿し家 大蔵」
と書かれているのであって,「大蔵」という名前のおすし屋さんであろうことは明白なんでした。

 ただ,私が目の端でこのカンバンをとらえたときに,この「寿し家」の「寿」が「脅」に見えてしまったんでした。つまりは
「脅し家 大蔵」
と読んでしまったわけでした。人をオドすことにかけては天下一品の大蔵さんのカンバンなのかと思ってしまったわけであります。

 アナタもこの写真をほんの一瞬視界に入れてまた視線をそらしてみましょう。ほーら見えた。…見えませんでしたか。そうですか。

 まぁ,ホントに脅し屋という商売があったとしても,あんまり大々的に宣伝するようなもんでもないかもしれませんが。
 そして脅し屋(おどしや)ではなくて脅し家(おどしか)なのかもしれないでありますね。噺家(はなしか)みたいに。オドシを芸術の域にまで高めているのかもしれない。

「寿し家」というのも「すし屋」さんとは違うんでありましょうか。おすしの家。
 ヘンゼルとグレーテルが腹いっぱい食べたのが寿司だったら,物語は違うものになっていたかもしれないでありますね。みんなすっぱいにおいのするお話。なんかイヤだなぁ。


 こちらはピッチングマシーンでありましょうか。ちょっと前の物件に出てきたアーム式ではなくて,回転式のやつ。

 なんだかちょっと顔っぽいでありますね。ギョロ目のチンピラが
「おうおうおう。なーに見てやがるんだよーぉぅ!」
とか,ちょっとカン高い声で威嚇してるような感じ。

 でもだいたいこういうキャラは,腕っ節は弱いでありますね。強い兄貴分のうしろで,スピーカー担当になってるような腰巾着キャラ。

 兄貴分と町を歩いていて,以前悪さをしてるところを痛めつけられた相手をみかけて
「あっ! アニキ! あいつでゲスよ! こないだオイラに恥をかかせたバカ野郎はぁっ! アニキィ!オイラのカタキをうってくだせいよぅ!」
なんてことを言って,アニキに
「バカはおめぇだ! このお方はなぁ…」
とか言われて頭をゴツンとたたかれてるようなザコキャラでありますけれども,物語のラスト近くではアニキをかばって落命する…というような感じであります。
 そうでもないか。

 しかし,これを読んだ高校球児の人がこのマシンを実際に使っていて,打撃練習の際に思い出して練習に身が入らなかったら申し訳ない限りであります。読んでないか。高校球児は。


 オマケ。
 これは…キカイダーでありましょうか。01ではなさそう。そのキカイダーが宙吊りになっているようなんでした。


 上の方には鳥小屋のようなものがあるので,これを守って外敵を威嚇しているんでありましょうか。
 木を登ってくる猫なんかを撃退するとか。逆に猫には遊ばれそうな気もしますけれども,そこはキカイダーだから猫をやっつけてくれるんでありましょうか。

 キカイダーは,♪電流火花がカラダを走る♪わけでありますけれども,電流はともかく火花が走ってたらショートしてるんではあるまいか?

「脅し家」は加茂市・栄町あたり。
「アニキィ」は加茂市・幸町1あたり。
「キカイダー」は新潟市北区・白新町3あたり。