小ネタ物件99


 さて,小ネタコーナーであります。物件としてはちょっとどうかな? と思うんだけれども,なんだか憎めないようなヤツらを集めてお送りします。本物件とどこが違うんだと思われるかもしれませんが,その辺は「なんとなく」なんでした。

ついに小ネタも99回であるけれども,ごく普通に,というよりむしろ通常よりショート気味な小ネタ。
100回目も普通なのだろうな。小ネタを大げさにしてしまったら,それは小ネタじゃないしなぁ。




 喫茶店とおぼしきウィンドーに書かれていたものでありますけれども
「世界のコーヒー 東京大阪新潟神戸」
ということなんでした。

 なんだか狭い「世界」であるなぁ。と思ったわけでした。
 いやまぁ東京大阪新潟神戸でコーヒーを生産しているわけではないので,チェーン店が東京大阪新潟神戸にありますよ,ということなんでしょうけれども。
 でも他の大都市と比べると,中に新潟が入ってていいものなのかという気がしてくるメンツであります。

 しかしこのお店自体はもう営業を停止してしばらく経っているような感じだったんでした。他の土地では無事なんでありましょうか。
 無事だったとしたら「新潟」の文字は消されているんでありましょうか。

 新潟市中央区。




 こちらは,物見山切り通し(勝手に命名)近くにあるカンバンであります。
「団地通路での」とだけ書かれているんでした。

 カンバンの片側が欠落してしまったんであろうことは明白でありますけれども,いったい何が書かれていたんでありましょうか。
 それはわかりませんけれども,どうせ欠落するならこの「団地通路での」の方が欠落した方がまだ意味はわかったかもしれないでありますね。

 あるいは,これは近所のおじいさんの「ここは団地通路でのぅ…」という団地通路宣言をカンバンにしたものなんでありましょうか。それをカンバンにする意味は不明でありますけれども。

 新潟市東区。




 側溝にブロックのフタがされている場合,ところどころ持ち上げるための穴があいているわけであります。
 私などは道行く車に遠慮して道路の端を歩き,さらにはこのフタの上を歩くことが多いんでありますけれども,靴のつま先がその穴にひっかかって,靴が傷つくことがしばしばなんでした。
 そういう人が多いからなのかどうか,その穴にかぶせるキャップがあるらしいんでした。

 でもこの物件はホントに「キャップ」なのかどうか。
 明らかに「キヤップ」と「ヤ」が大きいわけで,いっそ「キヤツプ」と全部大きければ(ああ。促音拗音は使わない主義なのだな)と思えるのに「ッ」が小さいためにどうしてもこれは「キヤップ」としか読めなくなってしまっているんでした。

 ヤップ島で採れた木から出来ているんでありましょうか。そんなことないか。
 それともジャムだかフルーツソースだかの入ったカップアイスでありましょうか。それはパナップ。
 あるいはそのうちアリとキリギリスとかの寓話を書いたりするんでありましょうか。それはイソップ。
 なにかうれしいことでもあったんでありましょうか。それはスキップ。

 新潟市中央区。




 トマソンの分類に「ウヤマタイプ」というのがあって,それは例えば「卯山 店」というようにカンバンなどの一部(特に扱っていたであろう商品名部分)が消滅することによって,将来的な商売替えも可能になっているかのようなカンバンなんでした。

 こちらの「堂」という物件は,そのウヤマタイプとはちょっと意味合いが違っているんでありますけれども,ウヤマ的なことを考えてしまうものになっているんでした。

 まぁおそらく元は「食堂」だったんでありますね。その「食」が欠落して「堂」のみになっているわけでありますけれども,「食堂」の次の商売として何が出来るんであろうかと,思ってしまうわけでした。

「店」と違って,最後が「堂」になるというのは少ないでありますね。何を最初に持ってくるか。
「本」にしてお寺となるか。
「講」にして集会所となるか。
「二万円」にしてメガネ屋になるか。
「ジュンク」にして本屋になるか。
「ツムラ順天」にして入浴剤を売るか。
「安さの殿」にして狭いところで色んなものを売るか。

 意外とあるか。でも固有名詞的になってしまって,一般的な名前にはあんまりならないのだなぁ。
 いや実はこの食堂,まだ営業しているようなんでありますけれども。がんばってカンバン直してもらいたいものであります。

 新潟市東区。