傾き物件



 さるお宅2階部分の雨どいであります。ごらんのように,右下がりに傾いてしまっているんでした。

 一点のみの支えで持ちこたえているようでありますけれども,どうにも苦しそうであります。下の窓が,なんだか歯を食いしばっているかのように見えてくるんでした。

 雨どいとしての機能は,左側では失われているようでありますね。右側は,一応屋根からの水を受け止めることはできるかもしれない。
 でも加速度のついた水を受け止めることによって,さらに負荷がかかっていきそうであります。

 あるいは,これは大きなシシオドシなんでありましょうか。
 この近所では,雨が降ると周期的にガッコォーンと大きな音が鳴り響いていたりするんでありましょうか。
 前にもこんなのあったな。


 こちらもさるお宅の雨どいであります。なんだか雑然としていて廃屋に近いのかもしれませんが。

 こちらも右側が落ちていて,もう地面に達してしまっているんでした。地面にはきれいに着地していて,ちょっと気持ちのいい感じではあります。
 形は逆だけれども,ケータイのダブル定額プランの料金図みたいでありますね。

 しかし,軒には雨どいの受け部分もしっかり残っているようなのに,どうすればこうなるのか。
 実はこのお宅は廃屋を表現したゲージツをやっているんではあるまいかとさえ思えてくるんでした。


 こちらは,ちょっと強固な感じのゴミ収集ボックスであります。これ自体には特におかしなところというのは無いんでした。


 その足元(?)であります。丸い形に陥没しているんでした。
 おそらくはもともとこの部分に足があったんだけれども,圧力に耐えられなくなったのか暑さによるものなのか,アスファルトが陥没してしまったようであります。

 それで,位置を少し後ろにずらしたようでありますね。さらに同じことを繰り返さないように,細長いプレートをはさんで圧力を分散しているようなんでした。

 しかし,これが突然傾いたんだとしたら,そのとき近くにいた人はビックリしたんではないかと思われるでありますね。
 ゴミを入れようと前に立ったら突然ガコンとボックスが傾いて扉が開き,中に入っていたゴミ袋がドドドドと出てきてゴミ袋まみれになってしまったかもしれないんでした。
 それほど大きく傾きはしなかったかもしれませんが。

 世の中のものというのはたいがい微妙に傾いていて,その傾きに身をゆだねているのが心地よいものでありますね。しかしそれがどこかで急激に傾いてしまう部分があるかもしれないわけで,気をつけないといけないわけでした。

「シシオドシ」は新潟市中央区・田中町あたり。
「ダブル定額」は新潟市中央区・笹口あたり。
「陥没ボックス」は新潟市中央区・上大川前通9あたり。