バース物件
県庁近くにある案内表示板であります。間違ったことはおそらく書かれていない真っ当なカンバンなんでした。
ただ,ちょっと目についてしまうのが「バスバース」であるんでした。
私としてはあんまりなじみのない言葉であるような気がするわけでありますけれども,私がよく知らないだけで一般的な言葉なんでありましょうか。
まぁ,バスに乗りたければそちらへ行けばいいのかなという気はするし,横には「Bus Terminal」とも書かれているんで困るということはないわけですけれども。
でも「Bus Terminal」と併記するんであれば日本語でも「バスターミナル」と書いてあったほうが,より多くの人が安心してそちらへ向かえるんではあるまいかと思ってしまうわけでした。
「ターミナル」と「バース」にどういう違いがあるのか調べてないのでよくわかりませんけれども,利用者としてはそこでバスに乗れさえすればいいわけであります。
しかし「バスバース」と言われても,はたしてそこでバスを待っていていいのかどうか。道行く人に(あ。あの人あんなところでバス待ってる。あそこはバスなんか来ないのに)と思われていないだろうか。バス運転手に(ちっ。そんなところで客乗せたりしねーよ。このシロートが)と舌打ちされるんではないか。と不安になりそうなんでした。
あるいは,ここはホントに「バスに乗る場所」ではないんでありましょうか。
バスがバース(誕生)するということであれば,ここはバスが生まれるところなのかもしれない。してみると,矢印の先にはバスの製造工場があったりするんでありましょうか。
いや生まれるということだから,バスが機械であるという認識が間違いなのであって,バスというのは実は生き物で,お父さんバスとお母さんバスが結婚して一年くらいするとお母さんバスがここに入院するのかもしれない。
そしてお父さんバスが扉の前でウロウロしていると突然「プワ〜ン」という産声(うぶクラクション)が聞こえて,看護バスさんが「元気な男の赤バスちゃんですよ」と言ったりするのかもしれないんでした。しれなくないか。
あるいは,往年の阪神の主砲が運転手をしているバスが運行されていたりするとか風呂に入っていたりする…わけでもなさそうであります。
しかし,「バスバース」というのは,意味はこの際考えないとしても語呂というか語感というか字面がそれ自体オモシロいんでありますね。他にも飛行機とか船とか色々なバースがありそうですけれども,バスだからオモシロくなってしまう。
なんだか,バスを待ってる人が待ちきれなくなって「早く来いよーっ!おーい。バス,バース!」と連呼しているような感じになってしまうんでした。
関係ないですけれども,バスを待ってるときにバスの来る方をもうずーっと見ているせっかちな人がたまにいるでありますね。道路に身を乗り出してバスの来る方向を見つづけ,たまに首をのばしてまで見ていたりとか。
アナタが見たからといってバスが早く来るわけじゃないんで,もうちょっと落ち着いて待ってましょうよ。見て早く来るんであれば私も見るけれどもさ。と思うのだけれども,まぁその辺は性格なのでしょうがないのかもしれないでありますね。
そういう人は,口には出さないけれどもバスの来る方を見ながら「おーい。バスバース!」と思っているのかもしれないんでした。
「バスバース」は新潟市中央区・新光町あたり。