かし物件



  さる駐車場とおぼしきスペースに置かれているカンバンであります。
「貸駐車」ということで,意味的には十分すぎるほどにわかるわけで,なんらおかしなところのないはずのカンバンなんでした。

 ただ,やはりちょっとムズムズするんでありますね。
「貸駐車場」と最後までいってもらいたいと思ってしまうんでした。先にも書いたように「場」は意味的には宇宙空間におけるジオングの足のように,あってもなくてもいいはずなんでありますけれども,なぜか欲求不満気味になってしまうんでした。

 カンバン作者としては何か思うところがあるんでありましょうか。
「うちは駐車する権利を貸しているだけであって,この土地を貸しているわけではないのだ。だからこのスペースで車の駐車以外のことをするのはまかりならん」
という意思表示だったりするんでありましょうか。

 それとも,これは「カチューシャ」と読んで,メイドさん御用達のお店だったりするんでありましょうか。
 あるいはロシア女性「カチューシャ」さんが日本に帰化してこのような名前表記になって表札をかかげているんだとしたら,それはそれで納得であります。そうでもないか。

 しかしよく見るとこのカンバン,かなり不安定でありますね。
 土台が先細りのようになっていて,支え無しでは倒れてしまいそうであります。実際,3本のひもで支えられているんでした。このカンバンの近くに駐車するのはちょっと考えないといけないところでありますね。

 宇宙空間では土台なんてただの飾りであってエラい人にはそれがわからんのかもしれないですけれども,ここは地球上であるのでなんとかしてもらいたいところではあります。(一部,世代性別嗜好によってはわけのわからんことが書かれておりますけれども,ご勘弁いただきたいところであります)


 こちらは「スナック菓子」のカンバンなんでした。カンバンの感じからして「菓子」さんのやっているスナックなんでありましょうか。

 んー。ちょっと狙ってる感が見え隠れしていて,うちの基準的にはビミョーなところではあります。
 まぁ,店名というのはどうしても命名者の思いが入ってくるわけで,なにがしかの思惑というのは見えて当然ではあるわけですが。

 あるいは,本当に仮面ライダースナックとかポテトチップスとかの「スナック菓子」を扱っているお店だったりするんでありましょうか。だとしたら,これ以上ないシンプルなカンバンということになるわけでありますけれども。

「菓子」さんが源氏名とかでなく本名であって,おつまみとして古今東西のスナック菓子を出すことをコンセプトとするスナックを経営しておられるんだとしたら,それは大納得するところでありますね。
 行ってみればいいのかもしれないですけれども,酒は飲めないしスナック菓子を大量摂取すると血圧上がりそうな私が行ってもしょうがないような気がするので誰か行ってみてもらいたいものであります。


 こちらは「かし」ではありませんけれどもおそらくは「かじや旅館」さんだと思われるんでした。
「か志゛や」と表記しているのはやはり「かじ」だと「火事」とモロに結びついてしまうからだったりするんでありましょうか。

 もしこちらの旅館が本当に火事になって,通報者が関西の人だと大変そうでありますね。
「もしもし。消防? かじや旅館が火事や!」
「旅館が火事なんですね? なんていう旅館ですか?」
「かじや旅館が火事やてゆうてるやろ!」
「いや火事なのはわかりましたので,そこの名前は?」
「だから,かじや! てゆうとるやんけ!」
「落ち着いて。 火事なのはお聞きしましたから,その旅館の名前をお願いします」
「そやから,その旅館が,か・じ・や!」
「ちょっと深呼吸してみましょうか」
「もうええわい!」
となったり…しないか。(関西弁および消防署の対応については想像で書いておりますので,関西出身の方および消防関係の方は激怒されないよう御願い致します)

 まぁ「かじや」だとそのようにタイヘンかもしれないので,濁点をとって「かしや」にすると…貸家とか貨車の旅館というのもちょっと問題があるか。(もちろん,実際のかじや旅館さんは火事になったり貸家だったり貨車だったりはしないと思われますので,五泉市あたりにご旅行の際はご利用いただきたいものであります)

「貸駐車」は新潟市中央区・栄町1あたり…だったか?
「菓子」は新潟市中央区・米山2あたり。
「かじや」は五泉市・駅前1あたり。