イタタ物件2



 日本は平和であって,とりたてて用事があるわけでもないのに街をふらふらと歩いていても,危険な目にあったりすることはほとんどないんでした。
 でもちょっと油断をすると,痛い思いをしてしまうかもしれないわけでした。

 そんなわけで,上の物件。割と大きめな道路の歩道に面した建物のフェンスであります。
「キケン 寄り掛からないで下さい」
ということでありますけれども,寄り掛かったが最後,タイヘンなことになってしまいそうなんでした。

 両足と片腕が切断され,もう片方の腕と腹部にもかなりのダメージを負わされるようであります。
 さらにその切断の前段階として,足は不自然な方向にねじ曲げられたり関節以外のところでボキリと折られてしまうようなんでした。

 これは痛そうであります。いや痛いどころの話ではないでありますね。命に関わるというか尊厳にかかわるというか,とにかくタイヘンであります。

 このフェンスに寄り掛かると,どのような経緯でそんな状態になってしまうんでありましょうか。
 フェンスが倒れると下に落ちていき,落ちていく過程で地形的に自然とそういう状態になっていってしまうのか。
 あるいはフェンスに触れるとブザーが鳴り,屈強な男達がゾロゾロと出てきて押さえ込まれ,拷問を受けた結果そうなってしまうのか。
 あるいは,オビ=ワン・ケノービのライトセーバーによってやられてしまうのか。その場合はあとでダース・ベイダーとして復活できそうですが。

 まぁ,何にせよこのフェンスには寄り掛からない方がよさそうでありますね。


 こちらは,某お宅の玄関先であります。
「犬も子も 躾けなければ 痛い目に」
「監視中 ウンチ飼い主 カメラ撮り」
だそうなんでした。

 文面からすると,躾というのは特にウンチに関する躾だと思われるわけでありますけれども,この辺の子どもは他人の玄関先にウンチをしていくんでありましょうか。違うか。ピンポンダッシュとかされて困っていたりするのか。

 これはおそらく,犬の飼い主および子どもの親に対して「ちゃんと躾をしないと,粗相やイタズラした犬や子どもをとっつかまえて痛い目にあわせてくれるぞ」と警告しているわけでありますね。子どもや動物相手にちょっと大人げない感じもするところであります。

 あるいは,犬や子どもではなくて,飼い主や親の方が痛い目にあわされるんでありましょうか。
 だとすると,カンバン主は相当腕に自信がありそうであります。もう誰かを痛い目にあわせたくてしょうがないのかもしれないでありますね。
 カメラで監視しているようなので,ウズウズしながら一日中モニターを見ているんでありましょうか。

 でも今あらためて文面を見ていたら,「監視中〜カメラ撮り」というのは「カメラを通してウンチ飼い主を監視中」なのではなくて,「ウンチ飼い主」および「カメラ撮り」を監視しているのかもしれないでありますね。

 つまりは「犬にウンチをさせている飼い主」と「カメラでこの家を撮っているアヤシイやつ」を監視中なのかもしれない。
 だから,このカンバンにカメラを向けていた私は,ヘタをするとここのオヤジに痛い目にあわされていたのかもしれないんでした。

 今回痛い目にあわなかった私は,たまたま運が良かっただけなのかもしれない。クワバラクワバラであります。
 とか言ってると,今私の背後には「やっと見つけたぜ」とか言いながら指をボキボキいわせている屈強なオヤジが立っているのかもしれませんが。

「キケン」は新潟市東区・松崎あたり。
「痛い目」は新潟市秋葉区・美善1あたり。

※「痛い目」のカンバン主はそんな暴力狂ではないと思われます。ホントの暴力狂であれば,警告などせずにいきなり痛い目にあわせるわけで,わざわざカンバンで警告するということはホントはとてもやさしい人なんだと思われるんでした。
 とフォローしたので,カンベンしてください。ああっ痛いのはイヤです。ごめんなさい。許してくだ