出張物件03


「ご近所路上観察ファイル」ということで,基本的に近所:新潟県内の物件を取り上げているわけですけれども,時折何かの用事で県外へ行ったりすることもあるわけでした。
 そういった機会に見つけた物件を小ネタ的に紹介しようというのが,出張物件であります。

 今回も名古屋編。街を歩くという行為自体はどこへ行っても変わりはないのだけれども,遠く離れた街を歩くというのはやはり何かがちょっと違っていて面白いのであるよなぁ。



 質屋さんのカンバンであります。「スグソコ」ということで,確かに左折して路地に入るとすぐそこにお店があるんでした。

 ただ,正面の標識を見てわかるようにここは一方通行の出口であって,車が左折することができないんでありますね。すぐそこにあるお店にあと一歩でたどり着けないというのは,お店にとっても利用者にとっても残念であるような気がするわけでした。

 まぁ,高級車を質屋に乗り付けて利用するということもあまりないのかもしれませんが。
 イメージ的には,貧相な男や生活に疲れた様子の女の人が小さな風呂敷包みを抱えてくる…という感じがあるわけですけれども,今は逆にそんな人の方があんまりいなかったりするんでありましょうか。

 名古屋では割とよく質屋さんのカンバンを見かけたような気がするわけですけれども,その多くが「ひち」と表記されているんでした。標準語的には「しち」であると思いますけれども,こちらでは「質屋」は「ひちや」なんでありますね。

 おそらくは発音からして「ひち」であり昔からそういう表記でやっていたのであって,これを「しち」と読むこと自体がおかしいということになるんでしょうけれども,標準などということを意に介さないあたり,歴史のある土地柄を感じるところであります。そういうことでもないのか?




 こちらは「黄金調剤薬局」さんであります。
 なんだか,薬を混ぜ合わせて黄金を作り出してしまう錬金術をやってるところのように思われてしまうんでした。
 あるいはセレブ御用達の薬局で,あらゆる薬に金を混ぜて金ピカの薬にしてしまう薬局とか。それはセレブというより成金か。

 ということではもちろんなく,この辺りの地名が「黄金通」らしいんでした。太閤通りとかも近くにあるし,やはりそういう絡みから来る地名なんでありましょうか。
 読みは「こがね」らしいですけれども,できれば「おうごん」にしてもらいたいところではあります。新潟市にも「こがね」という地名はありますけれども,漢字は「小金」なんでした。ちょっとビンボいや慎ましい感じであります。

 そしてこういう地名の場合,何かオモシロくなってしまう施設やなんかを想像してしまうわけで,「黄金銀行」とか「黄金水道局」とか「黄金廃棄場」とかが無いかと思ったりしたわけですけれども,私が歩いた範囲には無かったんでした。
 でも,オモシロくなってしまっているところはありそうでありますね。




 こちらは「麻雀ハウス 中村くん」さんであります。まぁ別に店名としておかしいというわけではないんですけれども。

 ただ,麻雀牌に店名を記しているわけですけれども,その中で実際にある牌が「中」だけであるというのがちょっと寂しいわけでした。逆に「中」だけが存在するが故に「村」「く」「ん」の立場がなくなっているような気がしてくるんでありますね。

 ひょっとすると,こちらの麻雀ハウスの牌の中には「村」「く」「ん」の牌が入っていて,それをそろえると役満「中村くん」になるとかいう特別ルールがあったりするんでありましょうか。ないか。

 しかしこの「中村くん」というのは名古屋市の中村区にある(多分)から「中村くん」なんでありましょうか。
 そうすると,天白区には「天白くん」というのがあるかもしれないし緑区には「緑くん」というのがあるのかもしれないでありますね。
 そしてもちろん東区南区西区北区にはそれぞれ「東くん」「南くん」「西くん」「北くん」というのがあって,それぞれのカンバンには麻雀牌が描かれていて東南西北白発中がそろうことになるのかもしれないんでした。

 …冗談で書いたけれどもホントにそういうチェーン店だったりするのかもしれないでありますね。そして名古屋全体が巨大な麻雀卓だったりするんでありましょうか?
 まぁ,さすがに名古屋にも「一萬区」とか「九筒区」とかいうのは無かったような気がしますけれども。



 今回の物件もすべて名古屋市。