出張物件02


「ご近所路上観察ファイル」ということで,基本的に近所:新潟県内の物件を取り上げているわけですけれども,時折何かの用事で県外へ行ったりすることもあるわけでした。
 そういった機会に見つけた物件を小ネタ的に紹介しようというのが,出張物件であります。

 今回もまた名古屋編であります。この半年で10回くらい行っておりますけれどもまだひつまぶしを食べてないんでした。ビンボ人のサガでありましょうか。



「南 あつた」ということで,おそらく道標であろうと思われるんでした。「南の方角が熱田です」ということなんだろうなと思うわけですけれども,何の予備知識もなしにこれを見た場合,ちょっと「?」となりそうでありますね。
 これを「南 あった」と過去形で読んでしまった場合,それじゃあ今は南は無いのか? などと考えてしまうわけでした。

 方角としての南が無い,ということが有り得るんであろうかと考えると,地球上でそういうことがあるのはただ一箇所なんでありますね。南極点ではどちらを向いても北であって,南という方角は無いわけでした。

 してみると,ここは南極点なんでありましょうか。南極も開けたものであります。いや私も昔の南極を知っているわけではありませんけれども。
 南極が厳しいところだというのは偏見であって,もともと意外と開けているのかもしれないでありますね。南極点では売店で南極饅頭とか南極ういろうとか南極まりもっこりとか売ってたりするんでありましょうか。
 売ってないか。

 あるいは,これは南厚太さんの墓標なのかもしれませんが。にぎやかなところが好きで,墓標は交差点に立てるのが夢だったのかもしれないでありますね。
 もし南厚太さんが実在していたらごめんしてください。





 こちらは「ごじようはし」であります。おそらくは「五条橋」であろうと思われるわけですけれども,ひらがなで書かれていると色々と考える余地が出てきてしまうわけでした。

 5時にしか渡ることのできない「五時用橋」なんであろうかとか。
「は」に見えるけれども実は「な」であって,誤字を書く人は必要ないという「誤字用無し」なんであろうかとか。ちょっとキビシイか。

 それとも「4の五乗根」をあらわしている「5乗は4」ということなんでありましょうか。4の五乗根はおよそ1.3195でありますけれども,それを橋に書いてどうするのかわかりませんが。

 あるいはこれは「悟浄は死」であって,三蔵法師のお供をして天竺へ向かった沙悟浄の墓標だったりするんでありましょうか。
 してみると,天竺というのはこの辺りだったのかもしれないでありますね。南極があったり天竺があったり,なかなか大変な土地であります。
 もし沙悟浄さんが実在していたらごめんしてください。しないか。





 たまにトマソン系を。
 こちらはいわゆる「原爆タイプ」というもので,壁面などに残った建物の痕跡であります。最近は隣の建物を壊して駐車場にした際に現れてくることが多いんでした。

 この物件の場合ちょっと気になるのは,消えた建物の屋根の形でありますね。ちょうど今ある建物の窓をよける形で,ふたつの山の間に谷の部分があるんでした。

 別に珍しいことでもないのかもしれないですけれども,雨が降ったらこの家の屋根には水がたまってしまうんではあるまいか,などと思ってしまうんでありますね。それが原因で家の老朽化が進んでしまったんではあるまいか,とか。

 もちろんそんなことはないんでしょうけれども,消えてしまった屋根の痕跡だけを見ると,そんな余計なことを考えてしまうわけでした。





 こちらは,ふとん屋さんのようなんでした。,おそらくは最後に「藤」あたりが一文字抜けているんではあるまいかと思われるわけですけれども,現状としては「ふとんの後」ということなんでした。

「ふとんの後」というと「ふとんをどうするのか」ということでありましょうか。人によって,ふとんを「しく」と言ったり「ひく」と言ったりしますけれども,本当はどちらが正しいのかという問題提起のカンバンだったりするのかもしれないでありますね。
 私はその方が理にかなっているような気がするので「しく」と言いますけれども,「ひく」というのも語感的に捨てがたい感じはするんでした。

 それはそれとして「ふとん」という言葉,特にひらがなで書いた場合にはちょっとなにやらインビな感覚が潜んでいるような気がするわけですけれども,そんな感じがするのは私だけでありましょうか。

 さらにその「ふとん」の「後」ということで,なんだかイケナイ感じがひしひしとしてくるわけでした。
 しかも上には「婚礼寝具」と書かれているわけで,婚礼でふとん用意してその後というと一体何をするんだオイ。げへへへへ。などと考えてしまうのはちょっと欲求が不満しているんでありましょうか。

 まぁ,わきに書かれているように,ふとんの後は麻雀をして和むのかもしれませんが。ギャンブラーな新婚さんであるなぁ。




 今回の物件もすべて名古屋市。