ラン物件
当サイトで今までに「犬のフン」関係のカンバンがいくつ出てきたのかはまったく不明でありますけれども,相当な数にのぼるであろうことは想像に難くないんでした。
もちろん,カンバン自体にさまざまなバリエーションがあるわけでありますけれども,特に新しいことが書かれていなくても,その状況やらオモムキやらによっていろいろと想像できてしまうあたりが,カンバンの王道だるユエンなんではないかと思ってしまうわけでした。
とテキトーな前フリをしておいて,上の物件であります。
「犬のフン禁止」
ということで,これはもうまったく普通の文面なんでした。相変わらず見にくい写真であるのは容赦していただきたいところであります。
見にくいのは写真のウデもありますけれども,カンバン自体がちょっと薄くなってしまっていて見えにくいということもあるんでした。板も古くなって,ところどころシミが出来てしまっているようであります。
そのシミのひとつが「フ」の字の上に出来ていて,「フン」が「ラン」に見えてしまっているんでした。
ここでは犬を走らせてはいけないんであろうか。
と思ってしまったという,それだけなわけでした。長い前フリの割にどうということもない物件で,申し訳ない限りであります。
「んー。さすがにこれだけだと物件にならんよなぁ。小ネタで出せればいい方かな。でもこういうシンプルなのもキライではないんだよなぁ。どうするかなぁ。物件にしてもいいかなぁ」
などと考えながら歩いていると,違うカンバンに冷たく突き放されてしまったんでした。
「シラン」とひとこと言われてしまったら,とりつくシマがないでありますね。
まぁ,こちらも別に教えてくれと頼んでもいないわけでありますけれども。
私は植物関係にウトいのでよくわかりませんけれども,やはりこれはランの種類なんでありましょうか。花屋さんなんかでこれを見つけて「この花,なんて言うんですか?」と聞くと店員さんは「シランです」と答えてくれるんでありましょうか。
あるいはそうではなくて,やはりこのカンバン自体が道行く人の思考を読み取って,その表示を変えているんでありましょうか。
今の場合は「物件にしてもいいかなぁ」などと,わけのわからんことを考えていたので「シラン」と言われてしまったのかもしれないでありますね。
もっと別のことを考えていれば,適切な答えが表示されたのかもしれないんでした。
「あのハンサムな俳優…。何ドロンだっけ?」「アラン」
「ペルシャって…今何ていう国だっけ?」「イラン」
「原子力発電に使うのって…。何だっけ?」「ウラン」
「特攻隊の基地があったのって…」「チラン」
「シリア南西部の高原って…」「ゴラン」
「植物っておなか減らないのかな…」「ヘラン」
「植物って肩こらないのかな」「コラン」
「チャッピーを連れた宇宙少年は…」「ソラン」
「ドラキュラ,狼男と,もうひとりは何ケンだっけ…」
…もういいか。
あんまりこんなことばっかり書いてると根っこで蹴られてしまうかもしれないし。「ケラン」
オマケ。これはランとは関係ありませんが。
これも相変わらず見えにくい写真でありますけれども
「愛犬家の皆様へ フンを持ち帰るまでが散歩です!」
とのことなんでした。
「家に着くまでが遠足です」というのはもう半分ギャグとして定着しているお約束の言葉であるような気がするわけでありますけれども,校長先生(なのか?)は今でも遠足の終わりにこの言葉を発しているんでありましょうか。
そう言わなければならないマニュアルがあったりするんでありましょうか。校長をやったことのない私にはわからないんでした。
それにしても,フンを持ち帰るまでが散歩であるということは,フンを持ち帰るまでは散歩を終えることができないわけでありますね。毎回フンをする犬だといいですけれども,フンをしない犬の場合はいつまでも家に帰ることができなそうであります。
深夜になっても犬がフンをせず「もうかんべんしてくれよ〜」と言いながら延々と散歩を続ける飼い主は少しかわいそうでありますね。犬の方はうれしいかもしれませんけれども。
それを知って,あえていつまでもフンをせず散歩を続ける利口な犬もいたりするのかもしれないんでした。
「ラン禁止」「シラン」は新潟市北区・すみれ野2あたり。
「持ち帰るまでが」は新潟市西区・鳥原あたり。