気弱物件
おなじみの駐車場カンバンであります。だいたい書かれていることは同じわけですけれども,よくもまぁこれだけバリエーションが生まれるものであるなぁと感心してしまうわけでした。
ということで,上の物件。
「有料駐車場(月極) 無断駐車の場合は強制退去を致します。」
とのことなんでした。
まぁ,言わんとしていることは十分にわかるわけですけれども。用語用法的に間違っているというわけでもないのかもしれないですけれども。
ただ「強制退去を致します」と言った場合に,実際に退去するのは誰なのかと,思ってしまうんでありますね。
もちろん,カンバンの意味合い的には「無断駐車をしている車」に退去してもらいたいのだろうと思いますけれども。
でも文面を素直に読み取るならば,退去するのはそれを宣告している自分自身になってしまうような気がするわけでした。
その様子を想像すると,落語か一人芝居のようでありますね。
「あっ。無断駐車だ」
「むぅ。どうしよう」
「ここはルール通り,強制退去だ」
「よし。お前。ただちに退去しなさい」
「えっ。私がですか」
「他に誰がいる」
「確かに,ここには私ひとりしかいない」
「さぁ。さっさと退去しなさい」
「ふえ〜ん。逃げろ〜」
というのを全て独り言でやって逃げていく気弱なカンバン主というのが想像されてしまうわけでした。されないか。
しかし,意図したとおりの文面にしようとするとちょっと難しいでありましょうか。
「強制退去していただきます」とか「強制退去処分と致します」とか「退去を強制致します」とかでもなんとなくしっくりこない感じがするし。
やはり「強制退去」という言葉がちょっと外れているような気がするでありますね。
無断駐車であるからには,とりあえずそこに運転手はいないわけで,自動車自身に退去してもらおうとするとナイト2000あたりを相手にしないといけないような気がするわけでした。
「強制撤去」あたりだと,モノ相手だし強気な感じになるかもしれないわけですけれども。そこをあえて「退去」とするのは,やはりたまにナイト2000が無断で停まっていたりするんでありましょうか。
ナイト2000とか知らんという方はちょっと検索してみましょう。私自身すでに記憶が薄れておりますけれども。
オマケ。
こちらはさるお宅玄関付近のブロック塀なんでした。そこには,ちょっと判別しづらいですけれども
「りゅうせいのバーカ りかのバーカ」
と書かれているようなんでした。
これはやはりこのお宅の子どもさんのお名前でありましょうか。りゅうせい君とりかちゃんの兄妹なんでありましょうか。
その家の塀に「バーカ」と書き記していくというのは,近所の子が兄妹とちょっとケンカでもしてしまったのかもしれないでありますね。
直接「バーカ」と言うことの出来ない,気弱な子の仕業なんでありましょうか。それとも相手がジャイアンとジャイ子あるいはニールとイライザみたいな兄妹だったりするんでありましょうか。
まぁ,微笑ましいといえば微笑ましい感じではあります。
しかしそれは子どもの仕業と見た場合であって,もしこれが大人の仕業だったとするとちょっとアブない感じがするでありますね。
りゅうせいさんはこの屋の主で,りかさんがその奥さんであったとすると,その二人を妬むあるいは憎むドロドロしたご近所関係が垣間見えてきたりするわけでした。
※もちろんこれは私の妄想であって,実際の兄妹は可愛らしく,実際のご近所関係は素晴らしいものであると思われます。たぶん。
あるいはこれはもっと大きなスケールの問題であって,宇宙空間の「流星」をののしっているのかもしれないでありますね。
予知能力者が流星の地球衝突を予知して警告したのだけれども,科学者は相手にしてくれない。地球の科学のおろかさを嘆いた彼は
「流星のバーカ 理科のバーカ」
という呪詛をこの塀に記したのかもしれないんでした。しれなくないか。
「強制退去」は新潟市中央区・白山浦2あたり。
「バーカ」は新潟市江南区・旭4あたり。