大丈物件
猫よけあるいは犬よけのため路上にペットボトルが置かれるようになって久しいですけれども,あれが出現したのはいつ頃からでありましょうか。
あんなものに効果は無いのだと言われてもいますけれども,それでもやはり何もしないよりは,という精神衛生上の理由で今も置かれ続けているんでありましょうか。
そんなわけで,最初の物件であります。
電柱の一番下に,側溝に落ち込む感じでペットボトルがくくり付けられていて,「犬の糞尿 お断り!」というカンバンが付けられているんでした。
まぁ,書いてあるとおりなわけでありますけれども,気になるのはペットボトルでありますね。ペットボトルというか,その中に入っている黄色い液体であります。この液体はいったい何であるのか。
やはり黄色い液体となると,アレそのものなんでありましょうか。ぼかして書くとこのあとメンドくさいのでハッキリ書けば,小便なんでありましょうか。
もし小便であるとするならば,誰のものなんでありましょうか。
カンバン主が,散歩中の犬に小便をさせないため,より強いケモノ(ライオンとかオオカミとか)の小便を採取して設置したとか。
でも,そういう強いケモノの小便は犬猫よりもさらにニオいそうでありますね。それなら犬にさせておいた方がよさそうでもあります。
あるいは散歩中の犬が,周囲を汚さなければよかろうと思って,ペットボトルの口をめがけてピンポイントで放尿したとか。
それはすさまじいばかりのコントロールでありますね。さぞかし賢いお犬様なんでありましょう。
はたまた犬を散歩中の飼い主が,「ほぉ。犬の糞尿がダメなら,人間であるこのオレ様ならよいのだな。わははは」と言ってカンバン主をあざ笑うかのようにペットボトル中に放尿したとか。
その様子を想像すると,セリフとは裏腹にかなりマヌケな姿であります。
この「犬」の字は右上の点が見えにくいですけれども,あるいはもともと「犬」ではなく「大」なんでありましょうか。そして「大(ひろし・まさる他)」さんを名指しているんでありましょうか。
大さんはいつもこのお宅の前で糞尿をして行かれるのかもしれないでありますね。それでは「お断り」のカンバンを掲げられてもしょうがないかもしれないんでした。ペットボトルが効果あるのかどうかわかりませんけれども。
もともとこの黄色い液体が小便なのかどうかというのもわかりませんけれども。バスクリン入りの残り湯なのかもしれないし。
でもそれを確かめるためにこの液体のニオイをかぐ勇気はなかったんでした。
こちらも基本的には「犬の小便禁止」のカンバンでありますけれども,もともとは「犬の大小便禁止」あるいは「犬のフン 小便禁止」あたりだったような気がするんでした。
それがなぜかカンバンの真ん中あたりにプレートが貼り付けられたようなんでした。しかも英語で「PICK UP AFTER YOUR DOG」であります。その後には日本語で「犬のフンは飼い主が片付けましょう」と書いてはありますけれども。
英語では「AFTER YOUR DOG」なんでありますね。日本語だと「犬の後始末」くらいのところでありましょうか。意外と直接じゃない言い方をするんでありますね。英語はもっとそのものズバリでウンコだのシッコだの言うかと思ったらけっこうデリケート。
それはそれとして,なぜここにプレートを貼るようにしたんでありましょうか。
カンバン主としては「犬といえどもフンを禁止されるのはツライんではないか。フンを禁止はしないけれども飼い主が持ち帰るようにするのが正しいんではあるまいか」と考えたりしたのかもしれないでありますね。
それなら小便の方はどうなのかという気もしますけれども「あー。そっちは禁止。小便くらいはちょっとガマンしてくれ」ということなのかもしれないんでした。
そしてこの「犬」の字は真ん中が交差していて「丈」の字みたいなんでした。こちらは実は「丈(じょう)」さんを名指ししているんでありましょうか。
丈さんというとやはり,あしたの矢吹クンでありましょうか。まぁ,彼は「おっちゃん。ションベンくらい好きなところでさせてくれや」とか言いそうではあります。さすがにその辺でフンはしないとは思いますけれども。
そんなわけで,「大」「丈」と来たのであとは「夫の大小便禁止」に見えるカンバンがあると「大丈夫」になるなぁ,と思っていたわけでありますけれども,さすがにそう都合のいいカンバンが見つかるものでもないんでした。
本当に「夫の小便禁止」というカンバンを掲げているお宅があったら,どんなプレイをしている夫婦なのかと思ってしまうかもしれませんけれども。
ということで,また今年もこんなネタで終わってしまうのだなぁ。みなさまの来年が「大丈夫」でありますように。
「大の糞尿」は新潟市北区・新元島町あたり。
「丈の小便」は新潟市東区・松崎1あたり。