別離物件
某ショッピングセンターの脇を川が流れていて,割と最近になって橋がかかったんでした。
その橋の下に書かれていたお言葉であります。
「さよならは別れの言葉じゃねー!!」
とのことで,ではさよならとは一体何であるのかというと,おそらくは
「ふたたび会うまでの遠い約束だー!!」
と言いたいんではあるまいかと,推測されるんでした。
ということで,わざわざ橋を渡って向う側なんかを探してみたわけですけれども,周囲にはそれらしいお言葉は書かれていなかったんでした。ちょっと残念なところであります。
あるいは,それ以上書くと著作権の辛味いや絡みがあったりして,書けなかったまたは消されてしまったんでありましょうか。このページは大丈夫か?
まぁ著作権はさておいて,なにゆえこの橋の下に「さよならは別れの言葉じゃねー!!」というお言葉を書かなければならなかったんでありましょうか。実際にここで別れの場面というのがあったんでありましょうか。
この川は阿賀野川と信濃川両方につながっているから,何かの都合でロシアあたりへ夜逃げする人と知り合いだったのかもしれないでありますね。
しかしこの川は近くに貯木場なんかがあったりして,あんまり旅立ちの場面にはならなそうなところだったりはしますが。
丸太を足で回しつつ「よっ!ほっ!はっ!」とか言いながら旅立ったりはしないだろうし。
その人に「さよならは別れの言葉じゃねー!!」と言ったとしても「うるせぇっ!気が散るから黙れっ!」と一喝されそうだし。
あ,だから言わずに書いたのか?
まぁなんにせよ,丸太回して日本海を越えてロシアまで行くのは大変そうなので,がんばっていただきたいところであります。
そして遠い約束どおり,いつの日かふたたび会いたいものであります。いや丸太乗りの人とはまだ最初の出会いもありませんけれども。
※お江戸と違い,新潟の貯木場では丸太や角材に乗ってクルクルしたりはしていないと思われますので,県外の方は観光課に問い合わせたりしないようにいたしましょう。
こちらはさるお宅の入口付近であります。呼び鈴的なボタンとプレートがあって,これは割とよく見かけるタイプのものではないかなと思われるんでした。
ただ,そのボタンがふたつ縦に並んでいるんでありますね。
そして上にあるプレートであります。見えにくいのでアップ。
「ご用の方は 2個 このボタンを押してください」
ということで,「2個」というのを手書きで追加しているんでした。
まぁ,別にそれほどおかしなことでもないわけですけれども。
自営業をやっていて,作業場と自宅の両方で呼び鈴が鳴るようにしているとか,2世帯住宅でどちらかが家にいなくても大丈夫なようにとか,いろいろなケースが考えられるでありますね。
ただ,それであれば配線をなんとかしてボタンをひとつにできなかったんであろうか,という風にも思ってしまうわけでした。つまりは,あえてボタンをふたつにすることに意味があったりするんではなかろうかと。
知り合いにはあらかじめリズム表を渡しておき,その通りにチャイムが鳴るかどうかで来訪者を見分ける,用心深い一家である。とか。
「2個押してください」という注意書きを読まずにボタンをひとつしか押さない来訪者は「注意の足りない人」として排除する,几帳面な一家である。とか。
もともとはふたつのボタンは離れたところにあって,二人の将軍が同時にボタンを押さないと呼び出すことが出来ないという超重要人物の家だったんだけれども,その超重要人物が引っ越したのでひとりでもボタンを押せるようにした。とか。
すでに別離が決定しているにもかかわらず家を手放すのは嫌で,所有権を主張するために各自で呼び鈴を設置している,同居離婚夫婦である。とか。
その内部の事情はわかりませんけれども,ボタンを押す側としては,ふたつのボタンはまったく同時に押さないといけないような気持ちになってしまうでありますね。
どちらかが一瞬でも遅れると,遅く押された方が「どうしてこっちを早く押してくれないのぉ〜っ!!」と泣きながら,早く押された方よりも素早く飛び出してきそうであります。
そんなこともないか。
「さよならは」は新潟市東区・大形本町1あたり。
「2個押して」は新潟市中央区・沼垂東5あたり。