トビラ物件
奥へ行くと階段になっている,車一台やっと通れるかというような狭い路地。保育園の裏側にあたるブロック塀に,非常口が設置されているようなんでした。
しかし,この板はしっかりと打ち付けられて固定されているようで,果たしてここから出入りが出来るのかどうかというのが疑問なわけでした。触れてみたわけではないので,実は意外と簡単に動いたりするのかもしれないですけれども。
この向かい側がちょっと工事をしていたようなので,園児が出て行ってしまわないための一時的なものだったりするのか。
一時的でなくても,園児が勝手に出て行かないように大人でないと開かないようになっているのか。
そして,外側からは開けにくいけれども内側からなら簡単に開くような構造になっていたりするのか。
もし内側からも開かないようだと,何かの災害時に必死の思いで非常口まで逃げてきても,そこから先は逃げることができないという「非情口」になってしまいそうであります。
しかしひょっとすると,この非常口は向こう側からこちら側への逃げ道なのではなく,こちら側から向こう側への逃げ道なのかもしれないでありますね。
外の世界で疲れてしまい,もうダメだと思ったときにこの非常口へ逃げ込むと,中で天使のような保母さんがやさしく癒してくれるとか。それはちょっと違うお店か?
こちらは,古そうなビルの壁面にあるドアでありますけれども,ドアに穴をあけて配管されているために,もはやドアとしての機能を失っているようなんでした。ドアとしては完全にトマソンと化しております。
すりガラスの向こうに見えるのは洗濯機でありましょうか。排水設備のない部屋に洗濯機を置くために,壁よりも穴をあけやすいこのドアが選ばれてしまったんでありますね。
必要になったんでありましょうか。洗濯機。それとも,もともと洗濯機は外に置いておいたんだけれども置けなくなって,やむなく中に入れることになったりしたんでありましょうか。
少なくはなりましたけれども,街を歩いてると今でもときどき外に洗濯機が置かれているアパートなんかを見かけたりするんでした。洗濯機の見える風景というのは,生活感を感じてしまうでありますね。昭和の風情と言ってもいいかもしれませんが。
ちょっと古い写真で雪が写っていたりしますけれども,会社の倉庫か作業場か,けっこう大きな建物であります。質素で飾り気のない壁面でありますけれども,ドアだけがなんだかちょっとかわいいんでありますね。
んー。これは,何かこだわりがあるんでありましょうか。他はかまわないからドアだけは,という一点豪華主義。いやこのドアが豪華かどうかはわかりませんけれども。
それとも,殺風景な中に一点だけアクセントを置くというアート的なこだわりなのか。
逆に,こだわりなどなく「ドアなんか何でもいいや」ということでその辺から拾ってきたりした結果なのかもしれませんが。
実は,この扉の向こうには別世界がひろがっているのかもしれないでありますね。なんとなく,秘密のカジノとかキャバレーとかそんな感じ。カジノもキャバレー香港も行ったことないのでよくわかりませんけれども。
「扉の向こう」というのは,想像力をかきたてるものであります。
「非情口」は新潟市中央区・四ツ屋町3あたり。
「排水扉」は新潟市中央区・万代5あたり。
「こだわり扉」新潟市東区・中木戸あたり。